1910年代後半アメリカにおける衣生活と婦人服産業の変化

書誌事項

タイトル別名
  • The clothing life and clothing industry in 1910s United States

説明

目的 1910年代後半は第一次世界大戦の勃発に伴い女性が社会に進出しはじめた時期であり、婦人服もそれに従って動きやすさをとりいれたものが多くみられるようになった時期である。また、ストレートなシルエットが流行したため既製服化がすすみはじめた時期でもある。アメリカが第一次世界大戦に参戦したのは1917年4月であるが、服飾への戦争の影響がアメリカでもおきているかという点と、既製服がどのように浸透しているかについて着目して分析を行う。<br> <br> 方法 アメリカで発行されているファッション誌Harper's Bazarの中から服飾についての記事と広告を検討し、流行についての記事に変化があるかと、広告における既製服の割合について検討を行う。衣服の入手方法については家庭裁縫、注文服、既製服の三種類にわけて分類を行った。<br> <br> 結果 Harper's Bazarは現在も発行されているファッション誌であり、中産階級及びそれ以上の読者を想定して編集されている。アメリカ参戦以降の誌面には”WARTIME CLOTHING”などのタイトルがあらわれているが、第一次世界大戦中でもパリやニューヨークの流行についての記事が多数掲載されており、多少の影響はあるもののそれが衣生活に決定的な影響を与えているとはいいきれない。また、広告における既製服の割合は多くなってゆくが、”WHERE TO SHOP”という三行広告的な欄では注文服の店舗の広告も多く掲載されており、依然として注文服は存在していたことがうかがえる。家庭裁縫用のパターン、布地、副資材の広告は存在しており、既製服はあくまで消費者の選択肢のひとつであり、本格的な浸透には遠いといえる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561294720
  • NII論文ID
    130006958696
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.249.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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