ベッドマットレスの硬さが終夜睡眠時の寝姿勢・体圧分布に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The effect of bed mattress on the body posture and distribution area of body pressure during nocturnal sleep

抄録

目的 快適な睡眠を得るために寝具は大きな役割を果たしている。しかし、寝具を選ぶ際の硬さや素材などについての明確な基準がなく、個人の好みによるところが大きいというのが現状である。そこで、本研究ではベッドマットレスの硬さが異なるときの終夜睡眠時の寝姿勢・体圧分布、生理・心理反応について明らかにすることを目的とし、終夜睡眠実験を行った。<BR> 方法 健康な若齢者女性8名を被験者とし、23時~翌朝7時まで8時間の終夜睡眠をとらせた。実験は奈良女子大学人工気候室にて行い、実験中は被験者の好みの気温に設定した。ベッドマットレスは硬さの異なる3種類 (50±15N;低反発素材、90±19N、130±23N)を用いた。測定項目は寝姿勢・体圧分布、生理反応として心拍数・体動回数・脳波など、心理反応として睡眠前後に寝心地評価・快適感評価など、起床時にOSA睡眠調査票による睡眠感評価である。その他日常睡眠に関するアンケート、身体計測を行った。<BR> 結果 各寝姿勢の出現割合は、どのベッドマットレスにおいても仰臥位が最も多く出現し、約6割を占めた。次いで側臥位、ねじれ位の順に多くなった。伏臥位は出現しなかった。仰臥位では臀部・足部、側臥位では肩部・臀部に高い圧力がかかっていた。仰臥位では足部、側臥位では臀部において最も高い圧力がかかる傾向が認められた。ベッドマットレスが柔らかいほど、接触面積が大きくなり、圧力が分散していた。しかし最大体圧ではベッドマットレス間での差はなかった。その他の生理反応については個人差が大きく影響した結果となった。OSA睡眠調査票では低反発素材のマットレスにおいて睡眠維持の因子が低い得点となっていた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561299968
  • NII論文ID
    130006958702
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.277.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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