碁石茶に存在する微生物の茶成分に及ぼす影響について

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of tea components on the microorganisms isolated from Goishi-cha

説明

目的 先に当研究室で碁石茶中の微生物について検討したところ、新たな微生物Geotrichum bryndzae(以下、09GWとする)の存在が確認された。本研究では、この分離微生物を09GWとして同定を行い、その特徴を明らかにするとともに、09GWの茶成分への影響を明らかにすることを目的とする。<BR>方法 試料:2008~2010年8月に碁石茶製造工程中のカビ付け室から、カルポーターを用いて無菌的に採取した微生物の中から、今回は09GWを単離し、実験に供した。(1)碁石茶からの分離微生物09GWの16SrRNA遺伝子の塩基配列を分析し、同定を試みた。(2) C源・N源の検討、成長曲線、至適温度、至適pH、熱安定性、ガス生成試験を行い、09GWの特徴について検討を行った。(3) Hayduck培地と緑茶の混合液に09GW懸濁液を接種し、25℃で2日間培養を行い、経時的にカテキン類、アミノ酸類、有機酸類についてHPLCで、またSPME法による香気成分をGC、GC-MSで分析した。<BR>結果 (1) 分離微生物09GWについて16SrRNA遺伝子の塩基配列を検討したところGeotrichum bryndzaeとの高い相同性が認められた。(2) C源についてはグルコースがよく資化され、N原についてはアスパラギン、グルタミン酸(MSG)がよく資化されていた。至適温度は25℃、至適pHはpH2~pH7まで、pH領域が広く生育することが認められた。熱安定性は70℃では生育が認められず、熱には比較的弱い微生物であった。ガス生成は認められず、成長も2日~4日と、生育の遅い微生物であった。(3) 茶成分の影響として、アスパラギンが減少し、カテキン類も減少した。また、PVPP処理を行うことにより、これらが減少することからカテキン類の一種であると推定された。減少したものは(-)-EGCGなどであった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561381504
  • NII論文ID
    130006958769
  • DOI
    10.11428/kasei.63.0.206.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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