ウェルビーイングと大学生の自立

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Well-being and Actual Condition of Independence in Unicersity Students

抄録

【目的】 生活の質や持続可能性といった側面から、人々のウェルビーイングや豊かさが追究されている。ボックはウェルビーイングを向上させようとする真剣な取り組みは、当然ながら教育を重視すべきである、と述べている(2011,105)。家政学は「個人・家族・地域社会のウェルビーイングの向上」(中間:2008,149)を目ざす学問である。本研究では、家政教育が個人・家族・地域社会のウェルビーイングを向上させることにどのように貢献できるかについて、大学生の自立実態から考察することを目的とする。 <br> 【方法】  A大学の学生350名に無記名式の質問紙調査を実施した。調査項目は、従属変数にSWLS(Satisfaction with Life Scale)5項目、独立変数に基本属性と大石・松永の自立尺度(2008)32項目である。SWLWと自立尺度は5件法で回答を求めた。調査期間は2015年7月から2016年1月であった。有効回答数は343票であった(有効回答率98%)。 <br> 【結果】  SWLS5項目の合計得点を算出し、生活満足度得点とした。男女別の平均値を算出したところ、女性の生活満足度得点の方が有意に高かった(p<.01)。  自立尺度の32項目について、最尤法による因子分析を行った。その結果、第1因子「協調的対人関係」、第2因子「主体的自己」、第3因子「社会的関心」、第4因子「生活身辺処理」、第5因子「生活管理」、第6因子「経済的自立」となった。<br>   各因子の平均値より点数が高い者を高群、低い者を低群とし、生活満足度得点を比較したところ、第1因子「協調的対人関係」(p<.001)、第2因子「主体的自己」(p<.01)、第5因子「生活管理」(p<.01)に有意差が認められた。協調的対人関係得点、主体的自己得点、生活管理得点が高い者の方が生活満足度得点が高いことがわかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561702528
  • NII論文ID
    130005256271
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_277
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ