天然染料による綿織物染色のための濃染処理方法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Study of deep dyeing processing method for cotton fabric dyeing with natural dyes

説明

目的 天然染料を使った木綿の染色は藍を除くとタンニンを含んでいないものはほとんど染まらない状態である.絹はタンパク質繊維であるため天然染料の色素を吸着することから濃色に染色が可能である.綿の場合もたんぱく質をつけることで絹に近い染色を可能にするとされている.そこで天然染料を用いた綿染色の可能性を探ることを目的に前処理剤による染色布の濃色効果について更にそれらの各種堅ろう性について検討を試みた.<br> 方法 豆汁,市販の豆乳,タンニン等を前処理剤とし,試料として綿布(JIS金巾)を用いた.天然染料の茜(100%owf),コチニール(20%owf)で浸染による染色を行った.媒染はアルミ先媒染法,スズ同浴媒染法で行った。染色布は色差計でL*値a*値b*値を測定し比較した.耐光,洗濯,摩擦,汗染色堅ろう度試験はJISに準拠した方法で行い評価した. <br> 結果 茜及びコチニールを染料とし,豆汁を使用した場合,豆汁に浸漬した染色布は共にムラになりやすく,刷毛引きの方が適していた.前処理後の放置日数が長くなると染色布に濃色化が認められた.特に両面から刷毛引きした場合a*値,b*値が高く赤み,黄みが強くなった.市販の豆乳を用いた場合,豆汁と同様の結果であった.市販豆乳の濃度は60g/Lが適正であった.タンニン酸を用いて浸染により前処理を行った場合,くすみのある染色布が得られた.得られた染色布は豆汁引処理の茜染めの場合,耐光3級,洗濯2-3級,摩擦3級,汗3級以上であることがわかった.<br>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561909632
  • NII論文ID
    130005256171
  • DOI
    10.11428/kasei.68.0_207
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ