異なるカカオ豆を用いたチョコレートの食味と嗜好の関係について

書誌事項

タイトル別名
  • Relation between taste and preference of chocolate from different cocoa beans

説明

目的 異なるカカオ豆で同配合割合のチョコレートの食味の違いとその嗜好要因を明らかにすることにより、チョコレートの嗜好を類型化することを目的とした。 <BR>方法 カカオ豆としてガーナ・ベネズエラ・エクアドル産を用い、カカオ分60%の配合割合のチョコレートを調製した。試料はHPLCおよびFolin-Ciocalteu法によるカフェイン・テオブロミン・ポリフェノールの成分分析を行った。官能評価は、女子大学生167名に対し、14項目を7段階評価尺度SD法により行い、同じ対象者に意識・食行動調査も併せて行いその結果を比較検討した。 <BR>結果 チョコレート成分分析では、ベネズエラとエクアドル豆チョコレートがテオブロミン・ポリフェノール含量がガーナ豆試料に比べ有意に高い結果となった。分析型官能評価による3種のチョコレートの食味の違いはエクアドル・ベネズエラ・ガーナの順に「苦み」「渋み」「こく」「後味の強さ」が高く、「甘み」は低いと評価された。3種のチョコレート嗜好はほぼ3分割され、重回帰分析の結果より、「甘み」を重視するガーナ派、「香り」を重視するベネズエラ派、「苦み」を重視するエクアドル派と推察された。意識調査からはエクアドル嗜好と「コーヒーの摂取」の間に関連がみられ、「甘いチョコレートは苦手」であった。DEBQによる食行動スケールでは、エクアドル嗜好者は、情動的摂食意識が高く摂食抑制意識が低い傾向がみられた。 <BR>結論 同配合割合のチョコレートでテオブロミン・ポリフェノール含量の高い試料ほど苦み・渋みが強く、その試料を好む層は苦い食品を嗜好し甘いものを苦手とする層であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205562105216
  • NII論文ID
    130006959099
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.245.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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