知的障害児の衣生活の実態と課題

書誌事項

タイトル別名
  • Actual condition and problem of the clothes life in intellectual disabilities children

説明

目的身体障害者を対象とした衣服の着脱や衣服構造に関する研究は行われているが、知的障害者を対象とした研究はほとんど行われていない。そこで、本研究では知的障害児の衣生活の実態を知るためにアンケート調査を実施して衣生活の課題を明らかにし、その結果をもとに布地を用いて教材を製作し、今後の衣生活支援に役立てることを目的とする。<BR>方法京都府内の総合支援学校教員13名に配布留置法によるアンケート調査を依頼し、小学部に在籍する知的障害児(身体障害を併せ持たない)32名(男児26名、女児6名)について調査した。調査時期は2009年8月中旬~9月初旬である。調査内容は、教員と児童のフェイス項目7項目、児童の衣生活に関して32項目、児童の衣服の好みに関して9項目、支援学校での指導に関して13項目である。調査結果と支援学校教員へのヒアリングをもとに、実際に手を動かして学べる要素を取り入れた布教材と布絵本を製作する。<BR>結果衣服の着脱、留め具の操作、整頓、衣服による体温調節、汚れた衣服の着替えなどの衣生活スキルについて、就学段階や障害の種類による傾向は認められなかった。靴を含み、何らかの衣服の着脱ができる児童は32名中26名であった。しかし、留め具の操作ができるのは、ボタン12名、ファスナー10名、フック8名であり、留め具の操作スキルの習得が第1の課題であることがわかった。また、衣服による体温調節ができる児童は5名、汚れた衣服を着替える児童は11名であった。児童の判断を必要とする衣生活スキルの習得が次の段階の課題であると考えられる。そこで、これらの課題を反映した「ボタン練習用」「ファスナーおよび面テープ練習用」布教材と布絵本「きがえ」を製作した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205562128896
  • NII論文ID
    130006959117
  • DOI
    10.11428/kasei.62.0.239.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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