後足部の回内外誘導テーピングが歩行時の足底圧中心に及ぼす影響

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【目的】一般的に臨床場面では、扁平足や変形性膝関節症に対する足部アライメントの調整を足底板で行っており、その影響に関する報告が成されている。今回は、テーピングを利用した場合の足底圧への影響について検討を行なった。<BR>【方法】対象は下肢に整形外科的疾患、既往のない健常人20名(男女各10名、平均年齢:20.3±3.0歳)の両下肢40肢とした。歩行踵接地と立脚中期の足底圧中心を、非テーピング、後足部回内・回外テーピング施行時の3条件を両下肢別々に計測した。計測にはTecScan社製F-SCANを使用した。非テーピング時の値と非テーピング時の値とテーピング時の値の差(以下、テーピングの影響)との相関関係を検証した。<BR>【結果】踵接地、立脚中期における足底圧中心は回内外ともに、非テーピング時の値とテーピングの影響に有意な相関があった(踵接地回外テーピングp<0.05、その他p<0.01)。 回内テーピングでは、非テーピング時の圧中心が前足部幅の踵接地、立脚中期それぞれ56.2%、54.6%より外側に位置している場合は、テーピング時に内側へ移動し、それよりも内側に位置している場合はテーピング時に外側へ移動した。一方回外テーピングでは、非テーピング時に踵接地、立脚中期それぞれ49.1%、50.5%より内側に位置している場合は外側へ移動し、それよりも外側に位置している場合は内側へ移動した。<BR>【考察】非テーピング時に圧中心が外側に位置している足では、回内テーピングにて足部回内が誘導された結果、圧中心も内側へ移動したと考えられる。しかし内側に圧中心が位置している足に対して回内テーピングにて足部回内を誘導すると、足底内から圧中心が逸脱する恐れが生じる。そのため圧中心の位置を足底内に留めようと骨盤、体幹など上位で調整することで外側へ移動したと考えられる。回外テーピングにおいても同様な結果となった。<BR>

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