平成15年度静岡県高校野球におけるメディカルサポートの状況報告

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • 県予選と国体との比較を交えて

抄録

【はじめに】近年高校野球においても選手のコンディショニングが重要視されてきている。そこで今回我々は、静岡県高校野球連盟からの依頼により第85回全国高等学校野球選手権静岡大会(以下静岡大会)及び第58回国民体育大会秋季大会高等学校野球(硬式)競技(以下国体)におけるメディカルサポート活動を行ったので両者の比較を交えてここに報告する。<BR>【対象及び方法】当県におけるメディカルサポートは理学療法士(以下PT)17名で活動した。活動内容は静岡大会は4回戦(ベスト16)以降の4日間。この期間の試合数は15試合、延べ30チームであった。各球場にPTは4名常駐し、主に試合前・中・後におけるテーピング及び応急処置、並びに試合後においてのクーリングダウンを投手は個別、野手は集団にて実施した。国体は1回戦から決勝まですべての試合をサポートし、参加校は12校(第85回甲子園大会ベスト8+開催県代表1+その他3)、試合数は11試合、延べ22チームであった。各球場にPT2名常駐し、サポート内容は静岡大会と同様であるが野手のクーリングダウンは行わなかった。また円滑に次試合の担当PTに引き継ぐため選手におけるチェック表を作成した。<BR>【結果】処置数は静岡大会が合計53件であり、内訳はテーピング23件、創部処置1件、アイシング20件、ストレッチング8件、水分補給指導1件であった。国体は合計138件で内訳はテーピング20件、創部処置8件、アイシング81件、ストレッチング27件、その他2件であった。処置数の1試合平均は静岡大会3.5件に対し、国体は12.5件と3倍以上になった。また静岡大会では1)トレーナーがいる高校への対応2)試合前・中の処置のタイミング3)試合後のクーリングダウンと報道による取材との兼ね合い4)クーリングダウンにおける負けチームへの対応が問題となったが国体では特に問題はなかった。<BR>【考察・まとめ】当県でも今年度よりメディカルサポート活動を開始したが、静岡大会より国体のほうが明らかに利用件数が多い結果となった。これは国体出場校が甲子園でメディカルサービスを受けたために選手自身もメディカルサポートへの理解や経験があり、コンディショニングを重要視する傾向にあったと考えられる。当県でも部長・監督・コーチ・トレーナーそして選手において活動自体の理解とクーリングダウン等のコンディショニングの重要性を理解してもらい、サポート活動だけでなく選手の教育を兼ねた啓蒙活動を行っていきたい。また静岡大会においては問題点も多くこれらは我々メディカルサポートスタッフの経験不足と参加校への情報不足が原因であった。今後、我々の知識・技術の向上及び情報提供することで選手が安心してプレー出来るよう心掛けていきたい。

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2003 (0), G0477-G0477, 2004

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205563096576
  • NII論文ID
    130004578586
  • DOI
    10.14900/cjpt.2003.0.g0477.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ