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腹筋運動の違いによる腹直筋の筋活動

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Abstract

【目的】理学療法士が臨床で腹筋運動を指導する機会が多いが、一般的にいわれている腹筋運動を行うことでどの程度の筋活動があるのかは疑問に思われる。そこで今回腹直筋に着目し、筋電図を用いて運動方法の違いによってどのように筋活動が変化するかを比較検討した。<BR><BR>【方法】健常人6人(男性3人、女性3人)、平均年齢27.0(±3.0)歳を対象とし、研究内容を説明し同意を得た。測定はNEC製SYNAX2100を用い、5秒間の等尺性収縮を行わせ、上部、下部腹直筋の筋腹中央に1cm間隔で電極を付け筋電図を導出した。運動の種類は、1)から3)はいずれも頭頚部の屈曲のみを指示し下肢は、1)両股関節屈曲60度、2)両股関節屈曲30度、3)両股関節屈曲0度。4)から6)は肩甲骨下縁がベッドから離れるように指示し、4)両股関節屈曲60度、5)両股関節屈曲60度で両大腿の間にボールを挟み内転運動しながら、6)両肩関節90度屈曲・両股関節90度屈曲位とした。7)はV字腹筋、8)は最大収縮である。全て運動は背臥位で行い、1)から5)では足部はベッドに着けた状態である。アナログデータより量的解析を行うため、最大収縮時の振幅を100としてヒストグラム化し標準偏差を求め、そのばらつきの大きさを振幅度とした。統計処理には、χ2検定を用い危険率は0.05とした。<BR><BR>【結果および考察】上部腹直筋では1)から8)までそれぞれ、16.43%、19.14%、17.71%、23.71%、27.29%、26.86%、34.71%、52.00%。下部は、11.86%、11.29%、13.71%、23.57%、26.00%、32.00%、34.30%、46.71%であった。筋電図の振幅から、運動方法の違いによる筋活動に差は認められた。しかしながら肩甲骨下縁が浮くまで体幹上部を屈曲しないと上・下部共に筋活動は乏しかった。V字腹筋が上部・下部共に有意に筋活動が高かった。我々は股関節を伸展する方が骨盤は前傾し、腹直筋の起始・停止は長くなり張力が増すことにより筋活動が大きくなると考えていた。しかし結果では股関節の角度を変えても筋活動の差は少なく、また頭頚部のみの屈曲では腹直筋の活動は小さく、腹直筋を働かせるためには肩甲骨下縁が浮くまで体幹を屈曲する必要のあることが示唆された。このことは、骨盤の前傾角度は直接には腹直筋の張力に影響はなく、これはダニエルのMMTの検査法に準じた結果となっている。V字腹筋では有意に下部腹直筋の筋活動が高かった。これは下肢を挙上させることではじめて骨盤の固定作用としての下部腹直筋の筋活動が高まるためであると考えられた。臨床での腹筋運動では患者の状態に合わせて方法、負荷を変えるが、弱化した腹筋では股関節の角度は関係ないが、強化の過程では下肢を挙上させ肩甲骨のレベルに注意を払う必要があることが示唆された。

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