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前後方向における骨盤傾斜と坐位での側方傾斜角度との関係
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Description
【目的】座位において骨盤前傾位での体幹側屈、回旋可動域は後傾位のそれより大きくなると考えられる。これより、側方傾斜座位保持可能な限界角度も大きくなると考えた。<BR>【方法】本研究では、以下の2点について検討した。1.端座位における3つの骨盤傾斜条件において、側方での座位保持可能な最大座面傾斜角度、両肩峰傾斜角は、どう異なるのか。2.三次元における各条件下での体幹回旋角および体幹筋の筋活動量にはどのような関係が存在するのか。<BR> 実験1は20歳代の健常者19名(平均年齢23.7±3.1歳)を、実験2は20歳代健常者男性9名(平均年齢21.8±2.5歳)を対象とした。<BR>実験1.骨盤傾斜角度は仙骨と座面とのなす角とし、安静位、骨盤最前傾位、骨盤最後傾位の3つの条件を設定し、仙骨の高さで骨盤を固定した。また、3回の試行の平均値を個人の代表値とした。最大座面傾斜角は、各条件下で被験者の主観的限界を感じる角度とした。両肩峰傾斜角は、左右の肩峰を結ぶ線と右肩峰を通る水平線とのなす角とした。実験2.左右の胸部および腰部の脊柱起立筋、左右の腹直筋および腹斜筋の筋電図は、各条件での側方座面傾斜角0゜,10゜,20゜,30゜,限界角で各3秒間測定した。また、三次元動作解析装置を用いて各条件での体幹回旋角(0゜における両上前腸骨棘を結ぶ線と傾斜時でのその線をXY座面上に投影したときのなす角)を測定した。<BR> 統計分析は、一要因反復測定分散分析法を用い、有意水準は全て5%とした。<BR>【結果】最大座面傾斜角および両肩峰傾斜角は、骨盤最前傾位での値が最後傾位でのそれよりも有意に大きかった。体幹回旋角は、骨盤傾斜条件下での値に有意な違いは認められなかった。<BR> 筋活動量について、限界角において、骨盤最前傾位および最後傾位での左胸部脊柱起立筋、最後傾位での左腰部脊柱起立筋は、それぞれ他の座面傾斜角度での値と比較して有意に大きかった。<BR>【考察】結果より骨盤最前傾位において、体幹の立ち直りの範囲が広くなる可能性が支持された。骨盤が前傾すると、椎体の前方の靭帯は伸張され、椎体後方および椎弓、椎間関節に付着する靭帯は弛緩する。また、体幹の側屈および回旋における脊椎の運動軸は椎体の後方へ移動する。そのため、運動軸付近の弛緩した靭帯の可動範囲が大きくなるため、骨盤前傾位での体幹の側屈、回旋の可動域が大きくなることが示唆される。骨盤後傾位ではこれの逆となる。体幹筋の筋活動量の結果については、側方座面傾斜時における体幹動作パターンの個人差によるものかもしれない。<BR>【まとめ】骨盤を前傾位にすることで、最大座面傾斜角および両肩峰傾斜角の値は後傾位よりも大きく、側方傾斜座位における抗重力肢位での坐位保持可能な限界角度も大きくなることが分かった。これは、ADLにも大きく関連することより骨盤の前傾能力を高めることは、理学療法を施行する上で重要であると考える。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2005 (0), A0613-A0613, 2006
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205564025984
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- NII Article ID
- 110004994974
- 130004578691
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- NII Book ID
- AN10146032
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed