慢性疼痛に対する高電圧パルス療法の効果
書誌事項
- タイトル別名
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- ―経皮的電気刺激療法との比較―
説明
【目的】<BR> 慢性疼痛に対する高電圧パルス療法(以下HVPC)の鎮痛効果を検証し、さらに経皮的電気刺激療法(以下TENS)との比較からその特性を明らかにすることを目的とした。<BR><BR>【対象・方法】<BR> 対象は1ヵ月以上保存的治療を実施するも肩・腰・膝に疼痛を有する患者19例中、HVPC群11例(平均年齢62±18.3歳、男性6例・女性5例、脳血管障害6例・肩関節周囲炎1例・腰椎すべり症2例・膝内側側副靭帯損傷1例・頚椎損傷1例)、TENS群4例(平均年齢65±14.8歳、男性2例・女性2例、脳血管障害2例・大腿骨頚部骨折1例・変形性膝関節症1例)とした。電気刺激装置は、総合電流刺激装置(伊藤超短波製、ES-520)を使用し、HVPCは、刺激頻度2~5Hz、パルス幅50μsec、TENSは刺激頻度1~10Hz、パルス幅150μsec、期間・頻度は共に2週間1日1回20分間とした。疼痛評価はVisual Analogue Scale(VAS)を使用し、肩関節に運動時痛を有する症例には施行前後のROM(肩関節屈曲)を測定した。効果持続時間・皮膚不快感に関しては聞き取り調査を実施した。また、HVPC・TENSそれぞれの初回治療前後(以下、短期効果)VAS値と初回治療前・最終日治療前(以下、長期効果)VAS値、短期効果と長期効果ROM値を対応のあるt検定にて、さらに各群の効果差をMann-Whitney検定を用いて統計処理を行った。<BR><BR>【結果】<BR> HVPCの短期効果VAS値(治療前4.8±2.5、治療後2.6±2.1)で有意差を認めた(p<0.01)が、長期効果VAS値(最終治療前3.3±3.4)では有意差が認められなかった。TENSの短期効果VAS値(治療前5.5±1.6、治療後3.7±1.4)は有意差を認めなかったが、長期効果VAS値(最終治療前2.2±2.8)では有意差を認めた(p<0.05)。ROMでは、HVPCの長期効果(治療前91.7±17.2°、最終治療前113.3±18.6°)で有意差を認めた(p<0.05)。また、両群の短期効果と長期効果VAS値に有意差は認めなかった。皮膚不快感は両群全対象者に「無し」との回答が得られた。持続時間は、HVPC群において数十分~数時間、TENSにおいては数時間~24時間と個人差が認められた。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の結果より、HVPC群は短期効果に、TENS群では長期効果に鎮痛作用傾向が認められた。この事より、運動療法の前処置など、短期効果を期待する場合にはHVPCを、長期効果を期待する場合いはTENSを用いた方が適しているのではないかと推察された。また、両群間に効果差が見られなかったことから、どちらの電気刺激療法を用いたとしてもほぼ同様な効果が得られるのではないかと推察された。今後、さらに症例数を増やし、研究を継続していきたい。
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2004 (0), F0615-F0615, 2005
公益社団法人 日本理学療法士協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205564344960
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- NII論文ID
- 130005013154
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可