地域運動教室参加への不参加理由

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タイトル別名
  • ―アンケート調査から―

説明

【はじめに】各地で高齢者を対象とする地域運動教室も多く開催されている。その中で、我々は運動機能の高いものや介護認定が低いものが多く参加している傾向があり、本来運動指導が必要な虚弱高齢者が十分に参加できていない可能性を報告してきた。そこで今回、運動教室前に実施している体力測定に不参加であった地域高齢者に対して直接、その不参加理由を問う調査を実施したので報告する。<BR>【対象】仙台市T地区在住70から84歳の高齢者2582名に対してアンケート調査を実施した。その回答からMotor Fitness Scale(MFS)8点以下でかつ聴力障害、視力障害、移動能力障害、起居動作障害を有するものおよび要介護2から5までの介護認定を受けているものを除外した574名に対して運動教室前に実施する体力測定の案内を送付した。そして、その案内に対し不参加との回答があった233名のうち死亡例1例を除いた232名を対象とした。<BR>【方法】郵送法にて不参加理由を問うアンケート調査を実施した。回答はその他の自由記載を含む10項目の選択式とした。<BR>【結果】回答が得られた165名(71.1%)の性別は男性54名、女性110名、不明1名、年齢は77.0±4.3歳(Mean±SD)であった。不参加理由は、時間が取れなかった11名(7.5%)、家庭の事情のため8名(5.4%)、病気で通院中または主治医に運動を止められている49名(33.3%)、外出が困難または外出の手段がない22名(15.0%)、体力や運動することに自信がない23名(15.6%)、自分の体力に自信がある4名(2.7)、もうすでに自分で運動をしている6名(4.1)、人前に出るのが億劫5名(3.4%)、運動や健康にあまり煩わされたくない6名(4.1%)、その他13名(8.8%)であった。回答不備は18名あった。病気のためと回答したものでその原疾患が確認できたものは23名で、心臓疾患6名、その他内科疾患2名、腰部脊椎疾患6名、股関節疾患1名、膝関節疾患2名、その他の整形外科疾患2名、その他4名であった。<BR>【考察】不参加理由は「病気のため」が最も多く、ちょうど3分の1を占めていた。その中でも心臓疾患、腰部脊椎疾患が約半数を占めていた。個人的な事情により不参加であったものは約13%、体力に自信がある、運動をすでに実施しているものは約7%であった。その中でその他の13名を除いても、おおよそ38%のものは社会的サポートにより参加可能となる可能性も示唆された。今後、さらに運動教室参加者と非参加者との背景を調査して行く予定である。

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2004 (0), E0151-E0151, 2005

    日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205564944384
  • NII論文ID
    130005012956
  • DOI
    10.14900/cjpt.2004.0.e0151.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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