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下肢筋力訓練は転倒予防に効果があるか?
Description
【目的】<BR> 高齢者の転倒と片脚起立時間の相関関係が報告されている.股関節外転訓練と大腿四頭筋訓練(以下:セッティング)を指導し、片脚起立時間(以下:起立時間)、重心動揺、下肢筋力(股外転筋、大腿四頭筋)の変化を調べ、転倒に対する効果について検討したので報告する.<BR>【対象と方法】<BR> 手術既往がない変形性膝関節症(K-L分類1-3)の患者25名(すべて女性 平均年齢73歳)を対象とした.被検者25名には股関節外転運動とセッティングを指導し、開始時と4週間後、8週間後に起立時間、重心動揺(アニマ社製ツイングラビコーダG-6100)、下肢筋力(アニマ社製徒手筋力測定器μTasF-1)を測定した.運動は股関節外転運動とセッティングを各100回/日を目標に指導した.<BR>【結果】<BR> 4週では被検者の80%が起立時間が延長し、起立時間と股外転筋の変化で有意差(P<0.05)を認めたが大腿四頭筋との有意差は認めなかった.開始後8週の起立時間では、4週と比較して65%の被検者が向上していたにもかかわらず、4週より起立時間と股外転筋・大腿四頭筋の筋力がともに向上した被検者はわずか4%であり、特に大腿四頭筋の筋力向上率が停滞する傾向が見られた.開始時の起立時間によりグループ1(30秒以下n=10)グループ2(31秒~60秒n=7)グループ3(61秒~120秒n=8)に分類した.加えて実施回数を測定期間内に実施した値の全体平均を中心とし、それ以上を多い群(H群)とそれより少ない群(L群)に分けて検討した.開始時の下肢筋力はグループ1<2<3であり、グループ1ではL群が、グループ3ではH群が多い傾向がみられた.グループ間の比較では起立時間と股外転筋の向上率はグループ1>2>3の順であった.実施回数別の比較では各H・L群で、グループ1の向上率が最も高かった.重心動揺検査では、グループ3においてのみ総軌跡長、単位面積軌跡長で開始前と8週で有意差を認めた.またY方向動揺平均中心変位の変化はグループ1が最も大きく、全体では重心は後方にずれる傾向がみられた.<BR>【考察】<BR> 起立時間と股外転筋の向上率では相関関係を示す傾向が見られ、特に開始時の筋力が弱い群に対してより効果的であることがわかった.実施期間でみると4週では起立時間・下肢筋力は向上したが8週では停滞する傾向が見られた.原因として、開始時の筋力が弱い群では実施回数が少なくても筋に対する負荷大きいため向上率が高かったことが予測され、同じ負荷での運動を長期間行うことは筋に対する負荷が減少するため向上率の増加が乏しかったと予測した.以上より、下肢筋力増強は転倒予防に有効で、下肢筋力をより増強させるためにはプログラムされた訓練回数を開始時の筋力により計画し実施していくことが効果的であることが考えられた.(大分大学医学部倫理委員会承認番号第183号)
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2008 (0), A3P2016-A3P2016, 2009
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205565629824
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- NII Article ID
- 130004580043
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed