沖縄県における運動と健康に対する意識調査

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抄録

【目的】沖縄県は全国の中でも長寿県として知られているが、近年それが脅かされている。その原因として車社会の沖縄では運動不足も大きな要因になっていると思われ、我々理学療法士の果たす役割は大きいと考える。そこで今回、沖縄県医師会主催の県民公開講座テーマ:「骨粗鬆症」に参加した方へ、健康と運動に対するアンケート調査を行ったので報告する。<BR>【方法】公開講座に参加した方へ、次の1~10の項目について質問を行った。<BR>1.基礎情報(性別・年齢・身長・体重)2.作業内容;1)ほとんど動かない、2)軽作業、3)中等度の作業、4)重労働、5)かなりの重労働の5段階に分類 3.普段の移動手段 4.普段の運動量とその種類 5.疼痛の有無 6.骨粗鬆症の有無 7.骨折の有無 8.転倒経験の有無 9.健康のために気をつけていること<BR>10.理学療法士を知っているか。これらの結果を集計し考察した。<BR>【結果】<BR>1.男性29名(平均年齢61.2±12.3歳、平均身長166±4.6cm、平均体重67.3±10.1Kg)、女性259名(平均年齢61.0±12.0歳、平均身長151±10.5cm、平均体重52.7±7.4Kg)。2.1)ほとんど動かない:9.8%、2)軽作業:57.4、3)中等度の作業:27.2%、4)重労働:5.1%、5)かなりの重労働:0.4%。3.自家用車35.1%、バス40%、モノレール7.1%、徒歩16.7%、自転車1.1%。4.1)運動のペース、ほとんど毎日:45.7%、週に1~2回:28.78%、月に2~3回:8.48%、ほとんどしない:16.97% 2)運動の種類、ウォーキング:55.5%、水泳5.3%、ストレッチ4.6%、筋トレ3.4%、その他30.8%。5.疼痛あり:25%、疼痛無し:75%。6.骨粗鬆症無し:74%骨粗鬆症あり:26%。7.骨折あり33%、骨折無し86%。8.転倒経験あり:39%、転倒経験無し:61%。9.気をつけていることがあると答えた人85%、なし15%。あると答えた人の内訳:食事と運動40.4%、運動22.3%、食事26.1%、その他11.2%。10.1)知っている53.4%、2)知らない46.6%<BR>【考察】今回のアンケート調査での結果から、移動手段では自家用車、バスなどの乗り物を利用する方が大半であり、沖縄県が車社会であることがわかる。日々生活で乗り物を利用している分、ほぼ毎日運動を取り入れている方も多い。また運動以外にも食事に気をつけている方も多く、健康意識については十分意識が高いものと思われる。しかし全体で転倒経験者が約4割を占めており、運動習慣はあるが自己流になっていることも考えられる。我々理学療法士は、運動習慣がある方への正しい運動指導、運動習慣がない方へは運動の習慣づけなど、県民の健康管理のあり方や運動方法など地域の方々に指導していく必要性を感じた。<BR><BR><BR>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2006 (0), E0365-E0365, 2007

    公益社団法人 日本理学療法士協会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205566294912
  • NII論文ID
    130005014338
  • DOI
    10.14900/cjpt.2006.0.e0365.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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