健常人におけるgaze stability exerciseの効果

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  • 重心動揺での検討

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【目的】<BR> gaze stability exercise(GSE)は前庭系の障害に対し、頭頚部の協調性を高めバランス機能向上に有効なトレーニング方法である。頭頚部の動きで重心動揺が増加することは知られており、今回は健常人に対してGSEを施行し、頭・頚部運動時の効果について重心動揺から検討したので報告する。<BR>【方法】<BR> 対象は、研究の趣旨を説明し同意を得た健常な男女27人(対象群:22名、年齢:19.1±2.5歳、コントロール群:5名、年齢:20.4±0.9歳)である。重心動揺の評価はNeurocom社製Balancemasterを使用した。測定条件は、暗室にて70cm前方に直径7mmの固視点を映し凝視させ、静止立位(静止)、1Hz頚部回旋(1Hz)、2Hz頚部回旋(2Hz)とし、各々10秒間の計測を3回行った。頸部回旋は左右35°の範囲で、頻度はメトロノームにより一定とした。対象群は4種のGSEを6週間行い、GSE前、3週間後、6週間後、終了後3~4週経過時に計測した。コントロール群は、GSEを行わずに前後の測定を行った。解析方法は足底圧中心から重心の角速度を算出し、paired t-testにより各群で測定時期間の比較を行い統計処理した。有意水準は5%未満とした。<BR>【結果】<BR> 対象群:GSE前は、静止0.25±0.1deg/sec、1Hz0.60±0.2 deg/sec、2Hz1.09±0.4 deg/sec。3週間後は、静止0.27±0.1 deg/sec、1Hz0.49±0.1 deg/sec、2Hz0.72±0.2 deg/sec。6週間後は、静止0.27±0.1 deg/sec、1Hz0.50±0.1 deg/sec、2Hz0.71±0.2 deg/sec。終了後は、静止0.26±0.1 deg/sec、1Hz0.50±0.2 deg/sec、2Hz0.75±0.2 deg/secであった。コントロール群:前は、静止0.35±0.1deg/sec、1Hz0.65±0.3 deg/sec、2Hz0.86±0.3 deg/sec。3週間後は、静止0.36±0.1 deg/sec、1Hz0.60±0.2deg/sec、2Hz0.92±0.1deg/sec。6週間後は、静止0.31±0.1 deg/sec、1Hz0.64±0.2 deg/sec、2Hz0.85±0.1 deg/secであった。対象群では、GSE前と後3週、6週、終了後を比較して有意差が認められた。コントロール群では、GSE前後で有意差を認めなかった。<BR>【考察】<BR> 対象群に関して、3週間と6週間のGSEでは有意差はなく、またGSE1ヶ月経過後も効果は持続した。GSEは前庭障害患者に対し前庭機能を高めバランス機能を向上させるために有効であるが、健常人においてもバランス機能を高め、頚部回旋時の重心動揺の増加に対して有効であることが示唆された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205566788352
  • NII Article ID
    130005014830
  • DOI
    10.14900/cjpt.2007.0.a0497.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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