ゆりかご体操(腹筋群の持続的収縮エクササイズ)が身体に及ぼす影響についての検討
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【目的】当院では、体幹安定性の向上を目的にゆりかご体操(腹筋群の持続的収縮エクササイズ)を行っている。今回、ゆりかご体操が身体に及ぼす影響について検討した。<BR>【対象・方法】対象は健常人40名(男性19名、女性21名)、平均年齢25.6±4.4歳、平均身長165.7±8.2cm、平均体重60.3±9.2kgであった。測定項目は重心の測定、指床間距離(以下FFD)、下肢伸展挙上テスト(以下SLR)とし、各項目をゆりかご体操施行前後で測定した。本研究では諸家の先行研究を元に足圧中心を重心とみなした。重心の測定にはmedicapteurs社製平衡機能計Win-podを用いた。測定肢位は、裸足で両上肢を体側に下垂し、2m前方の壁に配置したマーカーを注視させた静止立位とした。足部の前後位置は検出器の横軸基準線に左右第5中足骨底部を合わせ、左右位置は縦軸基準線を中心に左右均等となるようにした。また、足部の向きは左右の踵骨内側縁と第1中足趾節間関節内側縁を結ぶ線が平行となるようにし、足幅は両上前腸骨棘間距離と一致させた。測定時間は30秒間、データ取り込み周波数は100Hzとした。前後方向の測定は、横軸基準線より前方を正、後方を負の値とし、左右方向の測定は、縦軸基準線より右側を正、左側を負の値とした。FFDは台上で体前屈を行い、指尖が台の床面を越えるものを正、越えないものを負の値とした。SLRは他動運動にて測定し、左右の平均を値とした。ゆりかご体操は背臥位、頸部屈曲位にて両足尖部を手掌で把持した両膝抱え込み姿勢をとり、腹筋群の収縮を意識させて前後に30秒間揺れる動作とした。各項目で得られた結果の平均値を算出し、対応のあるt検定を用いて統計処理を行った。また、有意水準は5%未満とした。<BR>【結果】重心の前後方向では、ゆりかご体操施行前は前方に0.96mm、施行後2.45mmと有意に前方変位した。左右方向では、ゆりかご体操施行前後で有意差を認めなかった。FFDではゆりかご施行前3.21cm、施行後5.68cmと有意に増加した。SLRでは、ゆりかご施行前74.8°、施行後80.5°と有意に増加した。<BR>【考察】今回の結果より、ゆりかご体操施行前後においてFFD及びSLRは有意に増加した。このことはゆりかご体操により腹筋群が促通され、拮抗筋である脊柱起立筋群や殿筋群の筋緊張が変化し、柔軟性が高まったものと示唆された。また、これらのことが影響して重心を前方変位させたのではないかと考えた。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2006 (0), C0254-C0254, 2007
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205567511168
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- NII Article ID
- 110006373993
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- NII Book ID
- AN10146032
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed