ウォーキングイベントでの活動報告と今後の課題の検討

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抄録

【はじめに】当院は平成18年11月に行われたウォーキングイベント(イベント)で健康相談ブース(ブース)を開設した。その経緯から平成19年11月末にも同様にブースを開設することとなり、そこに理学療法士(PT)として参加する内容について報告する。なお、イベントが開催される時期の都合により、今回の詳細は学会当日に報告することにしたい。<BR>【内容】前回のイベントは東京都江戸川区で行われ、一般参加者は約1,700名であった。当院から人工関節置換手術を受けた者(Pt)10名が参加した。Ptの平均年齢は70.9±3.6歳であり、術後50日から約3年経過していた。参加した当院医療スタッフはPT3名、医師2名、看護師1名、義肢装具士1名であり、Ptとともに規定の5キロコースを歩いた。PTの役割として、途中の休憩所でのセルフストレッチとゴール後のセルフケアの指導を行った。ブースでは一般参加者に対して下肢の筋力トレーニングやストレッチ方法を記載した自作のパンフレットを配布し、医師とともに運動指導を行った。また関節の疼痛やセルフケアに関連したアンケートを実施した。<BR> 今回のイベントは東京都江東区で行われる。Ptは40名程度参加する予定である。前回同様にパンフレットとアンケートを準備し、ブースでは一般参加者向けに膝伸展筋力の測定を行い、また健康体操教室を開催して筋力トレーニング、ストレッチ、歩き方等の指導を行う予定である。<BR>【結果】Pt全員完歩し、疼痛や違和感等の訴えは無かった。また、Ptから完歩できた喜びと驚きの声が聞かれた。アンケートでは、膝・股関節に疼痛がありながらも運動を続けている者、将来の関節の状態に不安を感じている者、セルフケアに関心がある者などの状況が把握できた。疼痛のある者が理学療法を受けた経験があるのは50%であった。<BR>【考察とまとめ】前回のイベントを通して、PtのQOLを向上させるために、活動性の高い目標を掲げることが可能であると考えられる。一般参加者のなかには関節の不安を感じる、セルフケアに関心があるなど、PTが対応すべきニーズがある一方で、疼痛があっても理学療法の経験がある者は少ない状況である。PTは病院外にもっと情報を発信し、また、このようなイベントにも積極的に参加して啓蒙活動を行う必要があると考えられる。今回のイベントでは、筋力測定や体操教室を通してニーズに対応し、PTを広めていきたいと考えている。<BR>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2007 (0), C0979-C0979, 2008

    公益社団法人 日本理学療法士協会

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