Finger floor distance(FFD)検査とstraight leg raising(SLR)検査の柔軟性検査としての適用について
書誌事項
- タイトル別名
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- それぞれの再現性(信頼性)と両者間の関係から
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説明
【目的】今回の研究はFFDとSLRそれぞれの検査の再現性(信頼性)と互いの関係について検討し、両者の柔軟性検査としての適用について考える事を目的とする。<BR>【対象】健常成人で頚、腰背部、上下肢に疼痛や運動器疾患のない6例(男性2例、女性4例)平均年齢27.3±8.5歳を対象とした。<BR>【方法】FFDの測定は、日内変動を考慮し、一回目の測定約20秒後に二回目を測定した。メジャーの1mmまでを有効とした。<BR> SLRの測定も一回目の測定約20秒後に二回目を測定した。ゴニオメーターの1度までを有効とした。<BR> 一回目と二回目のFFDならびにSLRの再現性(信頼性)については級内相関係数にて検討した。<BR> FFDとSLRの関係については各被検者の二回の平均値を用いspearmanの順位相関係数にて検討した。<BR>【結果】1.FFDの平均値一回目は0±(13.7)cmで二回目は1.1(±13.0)cm 級内相関係数R=0.96であり再現性(信頼性)は非常に高かった。<BR>2.SLRの平均値一回目は75(±9.1)度で二回目は77(±8.1)度 級内相関係数R=0.90であり再現性(信頼性)は高かった。<BR>3.FFDとSLRの相関係数R=0.485であり両者にはわずかな相関しか認められなかった。(P<0.05)<BR>【考察】FFD検査はその方法において被検者が立位で限界まで動く、いわば能動的な検査であるが、対象が健常成人とはいえその再現性(信頼性)は非常に高く今後もより積極的に柔軟性検査として適応を考えたい。<BR> 一方、SLR検査は被検者が臥位にて検査が行われるいわば受動的な検査であるがこれも再現性(信頼性)は高く柔軟性検査として適応を考えたい。<BR> また、二つの検査にわずかの相関しかなかったことは非常に興味深い。この理由として柔軟性を検査する二つの検査がそれぞれに(一方的に)有意な因子を含む事を意味するのではないか。具体的には腹部周径、腰椎の可動域または上肢長等が考えられる。<BR> 今後、柔軟性検査としてFFD検査、SLR検査いずれの検査を適用する場合でもそれぞれの特色を十分考慮し、互いの検査に関わる因子に注意しながら行うことが必要であると考える。<BR><BR><BR>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2006 (0), A0684-A0684, 2007
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205568418560
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- NII論文ID
- 110006374423
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- NII書誌ID
- AN10146032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可