2006 建築物の床版変形を考慮せる実用的横力分布法 : 1層建築物の場合(構造)

書誌事項

タイトル別名
  • 2006) Practical Method of Lateral Force Distribution considered Deformation of Slab in Building : One-Storeied Structure(Structure)
  • 建築物の床版変形を考慮せる実用的横力分布法
  • ケンチクブツ ノ ショウバン ヘンケイ オ コウリョセル ジツヨウテキ ヨコリョク ブンプホウ

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抄録

有壁無壁のラーメンより構成されかつその耐震壁間の距離の大きい1層建築物に震力の如き横力が作用するとき、床版の水平方向の変形により、耐震壁間の中央ラーメンは壁体近傍のものよりその負担剪力が増大し、従来の剛床仮定の横力分布法では不十分であることを既論において指摘した。またこの傾向は、一体式コンクリート床版よりその水平剛性の低い組立コンクリート床版を用いた場合さらに増大することも既に報告した。したがつて、この床版変形の横力分布に及ぼす影響を具体的な構造設計法に如何に取り入れるべきかが問題となる。しかし、床版変形の横力分布に及ぼす影響は、既論でも述べた如く、床版、ラーメン、壁体等の剛性さらにこれらの建物内の配置形式及び建物の規模等により異なり大変複雑であるが、こゝでは最も代表的な場合として両端に耐震壁を有する1層対称構造物の場合を対象とし、床版変形の影響の最も大きい中央ラーメン及び端部有壁ラーメンの負担剪力を求める実用的略算法について論ずる。この問題については、武藤清及び大沢胖の両博士による中央ラーメンの負担剪力を求めるすぐれた略算法があるが、この方法は床版を通じて有壁ラーメンに伝わる荷重を等分布と仮定されているため、有壁ラーメン間の距離が大きい程その誤差が大きくなる。したがつて、一体式コンクリート床版よりその水平剛性の低い組立コンクリート床版を用いるときはさらにその誤差が増大することが考えられる。そこで本文では出来得るだけ実状に近い仮定のもとで床版変形の影響の最も大きい中央ラーメン及び端部有壁ラーメンの負担剪力を求める実用的方法を述べる。

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