地域在住高齢者の下腿周径と筋力・運動機能との関係
書誌事項
- タイトル別名
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- 下腿周径差を用いた検討
- 公開日
- 2010
- DOI
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- 10.14900/cjpt.2009.0.e4p2282.0
- 公開者
- 日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
説明
【目的】<BR> 地域在住高齢者の筋力、栄養状態、運動機能の把握は転倒予防において重要である。筋力・運動機能と転倒との関連については、多数報告されており、高齢者の転倒リスク軽減のためには、これらを評価しアプローチしていく必要がある。評価項目のなかで、周径測定は簡便、安価に実施可能なものである。しかし、周径値には骨格筋、体脂肪以外の要素も反映されるため、その意義には不明瞭な点も多く、運動機能との関連づけも明確ではない。<BR> 久保らは、高齢慢性期入院症例において脛骨粗面周径(以下、粗面周径)と、下腿最大周径(以下、最大周径)の周径差が移動能力と関連があることを報告しており、周径差と運動機能に関連があることが示唆された。そこで今回われわれは、地域在住高齢者の周径差と運動機能の関連を明らかにし、介護予防事業で活用することを目的に、得られた測定データを周径差から2群に分け、筋力・運動機能を、比較、検討したので報告する。<BR>【方法】<BR> 対象は、当院実施の介護予防事業に参加した男性26名、女性25名の計51名(平均年齢76±5歳)。<BR>測定項目は等尺性膝伸展筋力(以下、筋力)、片脚立位保持時間(以下、OFS)、Timed up and Go Test(以下、TUG)、Functional Reach Test(以下、FRT)、最大一歩幅、下腿周径とした。<BR> 筋力は端座位での膝90°屈曲位からの膝伸展筋力をハンドヘルドダイナモメーター(アニマ社製 μ-tas F100)で測定した。OFSは上限60秒と設定し、測定した。TUGは最大努力歩行の時間を測定した。下腿周径は市販のメジャーを用い、粗面周径および最大周径(西田らの方法に順じ、腓骨頭を0%、外果中央部を100%としたときの26%最大膨隆部位の周径)を測定し、その差を周径差として用いた。なお測定最小単位は5mmとした。<BR> 求めた周径差から平均値を算出し、平均値2.49に最も近い2.5mmを中央値としたうえで各運動機能測定値を周径差2.5mm以下群(以下、small群)と、3.0mm以上群(以下、large群)に分け、比較、検討を行った。<BR>統計学的処理には対応のないt検定を用い、有意水準は全て危険率5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR> 運動機能測定は介護予防事業のプログラムの一環として行っている。対象者には、測定データを研究に用いることを口頭、書面で説明をし、同意を得た。<BR>【結果】<BR> small群31例(平均1.85±0.67)、large群20例(平均3.47±0.54)であった。運動機能の比較では、筋力(small群26.19±8.51、large群32.89±11.04)、TUG(small群7.25±1.24、large群6.35±1.13)、最大一歩幅(small群92.95±12.90、large群106.07±12.04)で有意差が認められた。OFS(small群30.25±21.50、large群40.37±21.06)、FRT(small群31.40±5.27、large群33.75±5.60)では有意差は認められなかった。<BR>【考察】<BR> 周径値は主に骨格筋量、体脂肪量が反映されるものとして用いられるが、骨や浮腫の影響もあり、意義が不明瞭な点も多い。粗面周径は解剖学的構造上、筋腹が少なく、筋量の影響を受けにくいと考える。一方下腿最大膨隆部である最大周径は筋量の影響が大きく、両者の周径差には主に骨格筋量が反映されると考えられる。<BR> 加齢による退行変化により、骨格筋は有意に減少するが、なかでもType2線維の筋萎縮が主とされる。下腿筋では腓腹筋はType2線維、ヒラメ筋はType1線維が多いと報告されており、周径差には腓腹筋量が反映されやすいと考えた。<BR> 有意差が認められた測定項目は下肢筋力、TUG、最大一歩幅であった。<BR>筋力の加齢変化は、近位筋から進行するという報告や、外側広筋ではType2線維優位の萎縮が認められるとの報告からも、周径差が膝伸展筋力を反映している可能性が推察された。<BR> TUGは立ち上がり、歩行、方向転換、着座から構成される複合能力の評価であるが、歩行能力との関連が強いと報告されている。最大一歩幅は柔軟性、筋力、動的バランス能力が反映される。双方ともに、比較的瞬発力を求められる検査であり、Type2線維の要素が反映されやすかったのではないかと考える。<BR> 一方、OFS、FRTに有意差は認められなかった。OFSは、下肢筋力より足底、足趾機能が反映されるという報告がある。また、FRTはバランス機能に加え、体幹や上半身の柔軟性が反映されていると報告されている。これらの要素が反映された結果と考えるが、今後更なる検討が必要である。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 今回の結果から、周径差は地域在住高齢者の下肢筋力のなかでも、主にType2線維依存が考えられる運動機能との関連が示唆された。周径測定は安価、簡便に測定可能な評価であり、栄養状態、運動機能との関連が認められることから、今後、理学療法士が関わる地域高齢者介護予防事業への活用の可能性が考えられた。
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 2009 (0), E4P2282-E4P2282, 2010
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205571390976
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- NII論文ID
- 130004582861
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可