復職支援するリカレント教育事業の取り組み

DOI
  • 坂口 史紘
    社会医療法人景岳会南大阪病院診療支援部リハビリテーション科
  • 山川 智之
    公社)大阪府理学療法士会 社会局 社会医療法人景岳会南大阪病院診療支援部リハビリテーション科
  • 羽田 晋也
    公社)大阪府理学療法士会 社会局 独立行政法人地域医療機能推進機構星ヶ丘医療センター
  • 髙濵 宏
    公社)大阪府理学療法士会 社会局 医療法人朋愛会朋愛病院

抄録

【目的】大阪府理学療法士会では,出産・育児などで一時離職した府士会員の復職支援ならびに職域変更(海外からの帰国者を含む)にかかるキャリア維持を目的に,2009年日本理学療法士協会の事業委託後,2010年度から大阪府士会の独自事業としてリカレント教育研修会を継続開催している。この活動を報告する。【活動報告】この研修カリキュラムは,医療・介護保険制度の講義と各分野を担う病院や施設での実地研修を中心に,理学療法に纏わる各種検査法などの最新知識の情報提供を行っている。また実地研修の日時や施設は,育児・出産など家庭内の仕事を持つ受講者の背景を考慮し受講者自身が選択できるようにした。受講者には,理学療法士賠償責任保険への加入を条件に定め,実地研修の不慮の事故対策を図り,休会会員には個別の研修案内を郵送するなどの工夫を行った。この結果,開始後5年間で合計9名の参加があり,その内訳は一般会員1名,休会会員8名であった。因みに,その後2名の休会会員は一般会員として復会をした。受講者の離職時期は経験年数5~7年が多く,離職期間は5年間が最も多かった。受講理由では「復職予定であるが,離職間のブランクが不安である」が最多であった。復職先希望は,非常勤の雇用でデイサービスや訪問リハビリテーションを行っている職場が最も多かった。【考察】総務省の「労働力調査」では,女性就労率が25~29歳をピークに減少し35~39歳において就労率は再び上昇している。この研修会受講者の経験年数や離職期間と一致している。今後も同じような条件を持った府士会員が研修会に参加する可能性は高く参加し易い工夫が必要であると考えている。【結論】少子高齢化が進み出産・育児後の女性の就労がますます必要とされる時代となり,これを支援する事業が不可欠となる。当士会では,今後も復職やキャリア維持を目指す府士会員の一助となるよう,この事業の発展に取り組んでいきたい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205574163968
  • NII論文ID
    130005248574
  • DOI
    10.14900/cjpt.2014.0850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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