外反母趾術後に中足骨部痛を招いた一症例

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  • ~インソールパッドを用いた介入~

抄録

【目的】退行変性疾患に対する観血的治療において構造的な治療がなされたとしても,その原因である機能的な治療が行われなければ二次的な障害を招くこととなる。外反母趾と回内足の関連性も認められており(Nguyen USら,2010),手術によって外反母趾角が改善されても,機能は改善されていないため,有痛性胼胝,変形の再発も報告されている(FlammeCHら,1998)。今回の目的は,外反母趾術後の症例に対し,インソールパッドを処方することの効果を検討することとした。【症例提示】男性,71歳,173cm/65kg。H24.8.7当院にて右外反母趾の矯正手術施行。11月末より右足第2・3中足骨頭部間に疼痛・痺れが出現し,インソールパッドの作成となった。評価はNumeric Rating Scale(以下NRS)は3000歩程歩くと第2・3中足骨頭部間に7の痛みと痺れあり。Foot Printerは,第2・3趾球,母趾球内側,内側アーチ部の高圧がみられた。Leg Heel Alignment(以下LHA)15°。舟状骨高2.8cm。踵骨傾斜7°外反。片脚スクワット不可。快適10m歩行9秒08/18歩。【経過と考察】インソールパッド装着下のNRSは散歩時痛は第2・3中足骨頭部1~2,痺れは消失。LHA6°。舟状骨高3.5cm。踵骨傾斜2~3°外反。片脚スクワット可能となる。快適10m歩行8秒20/15歩。散歩時痛が消失し,歩行スピード,歩幅の向上がみられた。インソールは立脚初期における後足部の回内角度を減少させ(Davisら,2008),中足骨頭の圧の集積を減少する(Stolwijkら,2011)。本症例においても中足骨頭部の圧の集積が免れ即時的に疼痛が減少したと考えられ,外反母趾術後にインソールパッドを用いたアプローチは効果があると考えられる。今後は症例数を重ね検討していくことが必要である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205574830848
  • NII論文ID
    130005416635
  • DOI
    10.14900/cjpt.2014.1694
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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