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頭部前方偏位と頸部伸展筋の関係について
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- 小島 彰子
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 鈴木 智善
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 深津 崇行
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 髙島 公平
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 前山 恵子
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 村上 将
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 野嶋 治
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 大井 雅也
- はしら整形リハビリクリニック リハビリテーション科
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- 淵脇 圭史
- はしら整形リハビリクリニック 診療放射線科
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- 太田 進
- 名古屋大学大学院医学系研究科 リハビリテーション療法学専攻
Bibliographic Information
- Other Title
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- ‐頸部伸展筋評価の再現性と妥当性の検証を含む‐
Description
【目的】頭部前方偏位は臨床において高齢者で多くみられ頭頸部痛や嚥下障害,そして転倒とも関連が強いとされている.頸部軽度伸展位で得られた伸展筋力と頸部伸展筋群断面積および頸部周囲径との間に関連がみられたとの報告はある(Tsuyama,2000)が,姿勢(頭部前方偏位)と頸部伸展筋との関連は十分に検討されていない.そこで本研究の目的は,頭頸部角度,頸部伸展筋群断面積,頸部周囲径,頸部伸展筋力の再現性および各項目間の関連を検討することとした.【方法】対象は健常女性10名(28.8±6.4歳)である.対象者には頭頸部姿勢評価・頸部MRI撮影 (同一診療放射線技師にて撮影)・頸部周囲径測定・頸部伸展筋力測定の4項目を課した.立位姿勢における頭頸部姿勢評価ではデジタルカメラ(Casio社製)の位置を撮影位置から3m離しカメラの高さは床から90cmとした.対象者が注視するための印を前方の壁へ立位時の眼部の高さにつけた.対象者には外耳道と第7頸椎にマーカーをあてた.立位姿勢にて壁の印を注視した状態で5秒間3回撮影し二次元動作解析装置(ToMoCo-Lite 東総システム社製)を用いて外耳道と第7頸椎を結ぶ線と床と平行線のなす角度の平均値を算出した.MRI撮影は第4頸椎と第5頸椎の横断面で第4頸椎椎体に平行となるよう設定した(Tsuyama,2000).得られた画像から頸部伸展筋群である頭半棘筋・頭板状筋・肩甲挙筋・頭最長筋・頸最長筋・斜角筋・回旋筋群・多裂筋・頸半棘筋・僧帽筋の筋断面積を計測(Konica Minolta社製)した.頸部周囲径測定は座位にて,頭部を外耳道の上縁を通り眼窩下縁から後頭骨に引いた線が水平線と一致する位置とし,メジャーの上縁を喉頭の突出部で頸部の長軸に対し垂直にあて3回の平均値を算出した(Fuzita,1982).頸部伸展筋力測定は背もたれのある椅子に股・膝関節が90度になるように座り,頸部中間位にて背部を検者が徒手にて固定しhand-held dynamometer(Hoggan社製)を頭部へ垂直にあて2回計測し平均値を代表値とした.研究実施に先立ち各評価項目の検者内再現性を,級内相関係数(以下ICC)を用いて検討した.尚,MRIの検者内再現性は1度の撮影の同一画像から面積を算出した.ICCは,それぞれ頭頸部角度(1,3),頸部伸展筋群断面積(1,1),頸部周囲径(1,3),頸部伸展筋力(1,2)にて求めた.各項目間の関連はピアソンの相関係数にて算出し,有意水準は危険率0.05未満とした.【説明と同意】対象者には本研究の趣旨を十分に説明し,書面にて同意を得た.【結果】ICCはそれぞれ頭頸部角度(0.92),頸部伸展筋群断面積(0.94),頸部周囲径(0.99),頸部伸展筋力(0.55)であった.各計測項目の平均値(SD)は頭頸部角度平均値52.8度(4.0),頸部伸展筋群断面積1972.0mm²(187.9),頸部周囲径30.3cm(1.7),頸部伸展筋力47.1kg(14.8)であった.各項目間の相関係数では頸部伸展筋群断面積と頸部周囲径は(r=0.70, p<0.05)で有意な相関が認められたが,頸部伸展筋群断面積と頸部伸展筋力には(r=0.47)で有意な相関は認められなかった.一方,頭頸部角度と頸部伸展筋との関連はそれぞれ頸部伸展筋群断面積(r=-0.14),周径(r=0.13),頸部伸展筋力(r=0.47)で有意な相関は認められなかった.【考察】再現性の検討より本計測方法のうち頸部伸展筋力は,臨床応用可能な結果とはならなかったが,その他の計測項目はICC0.75以上と良好な再現性(Portney, 2000)が得られた.頸部伸展筋力の真の値としてMRIの頸部伸展筋群断面積の妥当性を検討したところ頸部周囲径にて良好な結果となり,本研究対象である健常若年女性の結果であるが,頸部伸展筋断面積は,頸部周径を評価することが有用と考えられた.頭頸部角度は先行研究より,健常女性にて49度から52度との報告がある(Raine,1997).本研究の対象者は平均52.8度と類似の結果であり,健常若年女性を対象としたため頭頸部角度のばらつきが小さく(変動係数:4.00/52.8×100=7.5%),頭頸部角度と頸部伸展筋の関連を得ることができなかったと考えられた.今後,頭部前方偏位を呈する高齢者との比較も検討することで立位姿勢における頸部伸展筋との関係性を明らかにしたい.【理学療法学研究としての意義】頸部伸展筋群断面積と頸部周囲径において相関が認められたことから評価指標に成り得ると考えられる.
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2012 (0), 48101623-48101623, 2013
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205575246592
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- NII Article ID
- 130004585816
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed