臼蓋形成不全に伴う変形性股関節症に対する弯曲状寛骨骨切り術の一例

説明

【目的】寛骨臼回転骨切り術Curved Periacetabular Osteotomy(以下CPO)は臼蓋形成不全に伴う二次性の変形性股関節症に対して低侵襲,後療法の短期化を目的とした手術である。今回CPOを施行した症例に対し,理学療法プログラムを立案し退院の早期化を図ったので考察を含め報告する。【症例提示】40代男性。診断名:臼蓋形成不全,右変形性股関節症。当院にてCPO施行。既往歴:2型糖尿病。身体所見:身長180cm,体重111.6kg,BMI34.4術前評価:ROM(右/左)股関節屈曲90°/100°,外転30°/30°,外旋40°/45°,内旋15°/15°,MMT(右/左):股関節屈曲4/5,股関節外転筋4/5。歩行:独歩自立術後評価(3週):ROM(右/左)股関節屈曲90°/100°,外転30°/30°,外旋45°/45°,内旋0°/15°,MMT(右/左):股関節屈曲3+/5,股関節外転筋4/5。歩行:ドゥシャンヌ徴候(+)【経過と考察】当院のクリティカルパスに沿ってリハビリテーション開始。術後3日目車椅子乗車,10kg荷重可。3週目20kg荷重可。術後23日目両松葉杖使用にて自宅退院。翌週より外来リハビリフォロー開始。10週目70kg荷重可。13週目より全荷重可。理学療法プログラム:①関節可動域練習②筋力強化練習③ADL練習④歩行練習従来,寛骨臼回転骨切術(RAO)後に長期的安静臥床・免荷を必要とし,ADL自立,社会復帰が遅延する。離床・荷重時期は施設によって異なっているが,当院ではCPO術後早期より離床を行い,荷重練習,筋力強化練習を実施してきた。それにより,荷重時期に合わせCKCexやDYJOCexなどの練習を積極的に実施してきた。結果として早期ADL動作獲得,退院に繋がったと考える。CPOは大柄な体型の症例においても術後リハが比較的容易に行われた。

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 2014 (0), 1291-, 2015

    日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205577080448
  • NII論文ID
    130005248956
  • DOI
    10.14900/cjpt.2014.1291
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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