一過性の神経筋電気刺激が動脈機能に及ぼす影響

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抄録

<p>[はじめに]</p><p></p><p>筋力低下の抑制に有効である抵抗性運動は,血圧上昇および動脈コンプライアンスの低下を誘発することが報告されている。一方,神経筋電気刺激(NMES)は,長期臥床および整形外科疾患の免荷期間などに伴う廃用性筋萎縮を予防する目的で広く使用されており,さらに,血圧上昇を抑制した状態で使用できることは明らかにされているが,動脈機能への影響は不明である。この点に関して,NMESの有効性が明確になれば,疾病などに伴う不活動状態が引き起こす動脈機能障害に対しても予防および改善できる可能性がある。そこで,本研究は,一過性のNMESが動脈機能に及ぼす影響を検討した。</p><p></p><p>[方法]</p><p></p><p>健常男性5名(平均年齢28.2±3.6歳,BMI 22.6±3.5)の被験者に対して,仰臥位姿勢で15分間の安静後,ベルト電極式の神経筋電気刺激装置(ホーマーイオン研究所社製)を用いて,周波数20Hzを最大耐性強度で30分間実施する条件(NMES条件)および仰臥位姿勢を30分間保持する条件(コントロール条件)を,それぞれ3日以上の間隔をあけて無作為に実施した。NMESおよび仰臥位姿勢保持の実施,終了直後および30分後に,血流依存性血管拡張反応(FMD),収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP)および心拍数(HR)を測定した。各条件間および経過の比較には,2元配置分散分析を用いて事後検定にBonferroniを用いて比較検討した。なお,統計解析はSPSSver24.0を使用し,危険率は5%未満とした。</p><p></p><p>[結果]</p><p></p><p>各条件実施前,終了直後および終了後30分後のFMDは,NMES条件で11.4±2.0%,13.3±1.7%および11.2±0.7%,コントロール条件で10.1±1.2%,10.1±1.1%および9.66±1.38%であった。NMES条件はNMES前と比較してNMES終了直後にFMDは上昇し,NMES終了後30分はNMES前と同程度まで低下した。また,SBP,DBPおよびHRは両条件とも変動は認められなかった。NMES直後に認められたFMDの増加変化は,NMESにより生じた筋ポンプ作用により血流が増加したことでずり応力が亢進し,内皮由来型一酸化窒素(NO)合成酵素を活性化させ,NOの生物学的利用能が向上し,血管平滑筋が弛緩したためであると考えられる。</p><p></p><p>[結論]</p><p></p><p>本研究では,NMES前後でFMDに有意な変化はなかったが,NMES終了直後には,FMDが上昇する傾向が認められ,動脈機能に対しても有効使用できる可能性があることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205577309312
  • NII論文ID
    130005608741
  • DOI
    10.14900/cjpt.2016.0670
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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