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表面筋電図周波数解析を用いた筋力低下後の回復過程と周波数特性の経時的関係性について
Description
【目的】理学療法において筋力低下に対しては積極的な筋力トレーニングが行われている。しかし,筋力の回復過程の多くは筋力を指標としており,筋活動,特に周波数で経時的な解析をした報告は殆どされていない。表面筋電図の周波数解析では,筋疲労や筋線維Typeの変化を見極めるために用いられている。そこで本研究では筋力低下を認めた入院患者を対象に,筋力の回復過程を周波数解析による筋線維Type別の活動性に着目し,経時的な関係を明らかにすることである。【方法】筋力低下を認められ,筋力トレーニングを開始した,入院患者19名(男性8名,女性11名,年齢69.3±19.5,身長157.1±12cm,体重51.8±11.8kg,BMI20.7±2.5)を対象とし,週1回の計測を最大で5週まで計測した。動作課題は端座位,膝関節屈曲90°における膝関節伸展とし,ロードセル及びHDDを使用して4秒間の等尺性最大随意収縮を計測した。表面筋電図の計測には表面筋電計NORAXON社製Telemyo2400T,解析ソフトMyoResearch XPを用い,被験筋は患側下肢の大腿直筋(RF),外側広筋(VL),内側広筋斜頭(VMO)とした。開始後3秒間を排除し得られた1秒間の筋電波形より高速フーリエ変換による周波数解析を行い,中間周波数及び20Hz毎に区分された周波数帯域を算出した。最大筋力,中間周波数の評価項目においては,初回施行時を100%として正規化し検討した。統計学的解析には一元配置分散分析,Post hoc testにTukey-Kramer法を用いて有意水準5%未満とした。【結果】最大筋力は経過に伴い増加する傾向を示し初回施行時から3週目で有意な差を認めた。中間周波数ではRF,VL,VMOすべてにおいて経時的な変化による有意な差は認めなかった。そこで,初回施行時より筋力が1週目で10%以上増加した群を回復群,10%未満だった群を回復遅延群の2群に分けた結果,中間周波数では回復群においてVMOが2週目に高周波帯へ推移する傾向があった。回復遅延群ではRFが4週目に高周波帯へ,VLが4週目に低周波帯へ推移する傾向があった。周波数帯域では回復群においてVMOは高周波帯域に推移し,VLは低周波帯域に推移する傾向があった。【結論】今回の結果より最大筋力は初回施行時から3週目で有意な増加が認められ,筋力トレーニングによる効果が得られたことが考えられる。一方で中間周波数は経時的な変化は認められなかったが筋力の回復群において回復遅延群よりもVMOはTypeII線維が,VLはTypeI線維が優位に活動する傾向が認められた。このことより低下した筋力の回復過程では,各筋の特性によって筋線維の回復傾向が異なることが示唆された。
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 2015 (0), 0508-, 2016
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205577773696
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- NII Article ID
- 130005417446
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed