廃棄物焼却残渣溶融時のセシウムおよびストロンチウムの挙動に関する研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Behavior of Cesium and Strontium in Melting Process of Waste Incineration Residues

抄録

福島第一原発事故により環境中に放出された放射性核種により汚染された廃棄物を焼却した際、これらの核種は焼却残渣中に濃縮される傾向にあるが、8,000Bq/kgを超える指定廃棄物は特別な管理が必要であるため、さらなる減容化・安定化が重要な課題となっている。そこで本研究は高濃度に放射性核種を含む焼却残渣の溶融処理を想定し、いくつかの添加剤を加えた模擬焼却残渣(模擬灰)の溶融試験を行い、安定性核種のCs-133と放射性核種のCs-134およびSr-85のスラグ・飛灰への分配率を調査した。結果、Cs-133とCs-134のスラグへの分配率はCl存在下で低下し、Al2(SO4)3存在下で上昇する傾向がみられたが、模擬灰組成によりこれらの添加剤の影響は異なった。また、同組成の模擬灰でも、CsをCsClの形態で添加した場合、Cs2CO3の形態で添加した場合よりもスラグへのCs分配率が低くなり、Al2(SO4)3の効果は限定的となることが示唆された。Sr-85は灰組成や添加剤の影響をほとんど受けず、ほぼ全量がスラグへ分配された。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205591164160
  • NII論文ID
    130005477713
  • DOI
    10.14912/jsmcwm.25.0_383
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ