一般教育科目における弁当調理課題の検討

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タイトル別名
  • Research on task of preparation of boxed lunches in the class of the general education course program

抄録

目的 課題「弁当調理と発表」を導入したY女子大学の一般教育科目受講生の変容および今後の課題を事前事後調査の比較により検討する。弁当調理は、弁当箱の約1/2を主食(飯)、1/6を主菜、1/3を副菜、ビタミンAは日本人の食事摂取基準の1日の1/3以上(事前に栄養計算し確認した献立)、伝統的な農水畜産加工品を除き加工食品を使用しない条件で、また、調理時間短縮のために事前の家庭冷凍の積極的活用を勧めて、家庭学習課題とした。発表は机上の弁当・レシピを相互観察させ、後日弁当調理まとめレポートを提出させた。<br>方法 2013年9月~2014年1月の授業「調理学―食生活の基礎」の受講生を対象とした事前および事後調査における弁当調理に対する意識・実態に関する質問紙調査結果、弁当調理のレシピ、弁当発表後のレポートを分析した。<br>結果 有効回答は現代ビジネス学科46、英語英米文学科38、心理学科10、薬学科10、その他の学科17で、計121であった。<br> 事前調査において、食生活の知識・技術と手作り弁当に関する意欲を複数回答で求めた結果、「調理が手早くできたら手作り弁当を作りたい」が60%、「調理技術が向上したら手作り弁当を作りたい」が58%、「短時間でできるレシピを知ることができたら手作り弁当を作りたい」が56%、「各食品に応じた調理方法が理解できたら手作り弁当を作りたい」が35%、「各食品の栄養を理解できたら手作り弁当を作りたい」が23%で、弁当調理時間が重視されていた。<br> 調理時間と手作り弁当への意欲を複数回答で求めた結果は、「15~30分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」が45%、「15分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」が44%、「30~45分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」が17%、「調理時間に関係なく手作り弁当を持参したい」が7%であり、30分未満での調理により手作り弁当への意欲を高まると考えられた。実際に弁当持参当日朝に学生が調理に要した時間は1分(詰めるだけ)~180分で、平均は38分であった。<br> 当日朝に短時間(20分以下)で調理した学生36名の弁当の平均料理数は5.3であり、主なおかず(複数回答)はグルーピングした結果、多い順に卵焼き75%、和え物61%、その他53%、肉類の焼物44%、煮物44%であった。当日朝に長時間(45分以上)で調理した学生31名の平均料理数は5.8で、主なおかずは多い順に、その他94%、卵焼き71%、和え物61%、肉類と野菜・きのこ類の炒め物58%、煮物32%であった。<br> 事後の食生活の知識・技術と手作り弁当に関する意欲の調査結果において、「調理が手早くできたら手作り弁当を作りたい」が73%と増加え、「調理技術が向上したら手作り弁当を作りたい」は56%、「短時間でできるレシピを知ることができたら手作り弁当を作りたい」が45%に減少した。調理時間と手作り弁当への意欲では、「15~30分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」「15分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」は微増、「30~45分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」が20%に増え、「調理時間に関係なく手作り弁当を持参したい」は5%に減じたが、「45~60分未満で弁当が作れるなら手作り弁当を持参したい」は5%に微増した。<br> 他の学生が作った弁当・レシピを観察した感想には、想像していたより時間をかけず調理されたおかずが参考になったこと等があげられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205597374592
  • NII論文ID
    130005478285
  • DOI
    10.11549/jhee.57.0_57
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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