2棟の雑居ビルの異なった飲食店から採集されたチャバネゴキブリの殺虫剤抵抗性レベル

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タイトル別名
  • Insecticide resistance in the German cockroaches collected from various restaurants in two high-rise buildings in Tokyo

抄録

チャバネゴキブリBlattella germanica (L.) はレストラン,ホテル,病院,あるいは雑居ビルなど人工加温が継続している場所では最も重要な害虫であり,害虫管理を業とするPCOにとっても最大の対象である.また,チャバネゴキブリは各種の殺虫剤に抵抗性を発達させていることが知られている (羽原ら,1996, 山田ら,1997, 松谷ら,1997, Lee, L. C. and Lee, C.Y. 2004) .これら一連の報告は非連続の場所から得られたチャバネゴキブリでの成績と思われる.今回,我々は東京の2棟の雑居ビルのそれぞれ同一フロアにある12の飲食店からチャバネゴキブリを採集して,累代飼育を行い,3世代目の雄成虫を供試して選択接触試験を行った.その方法は,殺虫剤処理シェルターと無処理シェルターを試験容器内に離して置き,ゴキブリに自由に選択させる方法である(Tabaru, et al. 2000).その結果,多くの殺虫剤に対して強い抵抗性が見られたが,そのレベルは同一フロアにあっても一様ではなかった.このことは,主として厨房で繁殖・活動しているチャバネゴキブリは頻繁に交雑していないことを示唆するものである.また,シェルターの下に落下した糞の分布から得られた殺虫剤忌避性を観察した結果,一部の薬剤に対して強い忌避性を示した.このような現場では,殺虫剤抵抗性を常に意識しながら殺虫剤の選択を行うべきであろう.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205621127424
  • NII論文ID
    130006980925
  • DOI
    10.11536/jsmez.61.0.80.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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