配水管を利用した工作の簡単な戸田型トラップ

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タイトル別名
  • A bait trap for Diptera collecting which is built of components for water pipes

抄録

ショウジョウバエ採集用トラップとして用いられている戸田型トラップは,トラップの餌に腐肉を用いることによって腐肉に集まるハエを採集することもできる.戸田型トラップIは装置型トラップとして完成度が高いが,工作に若干の手間がかかることが予想される.そこで,直径40 mmの塩ビ製配水管の継手部を主部品にしたトラップの作成を試みたところ,全体の工作は極めて容易だった.特に掃除口という部品を用いることにより,虫受け用のねじ込みボトル接続部分の工作が簡単にできることが分った.本トラップ作成に必要な工具は塩ビ配水管本体部を輪切りにする小型のノコギリ程度であり,各部品の接続は水道管用の白色テープを使用することにより圧着式で行え,殆ど接着剤を使う必要がない.従って,本トラップは丈夫である一方分解が簡単である.現行の本トラップはオリジナルの戸田型トラップIとはかなり外観が異なっており,また戸田型トラップIと比較して理論上の欠点と考えられる部分もある.しかし,本トラップは工作が簡単なので,各自の工夫で容易に形を変えることができる. 本トラップで腐肉を餌にしてノミバエの採集を試みたところ,野外に腐肉を放置したのでは得難いSpiniphora属の種が多数採集された他,衛生害虫でありながら一般的な昆虫採集法では採集が難しいクサビノミバエも採集された.なお,本トラップを用いると,ノミバエは腐肉の臭いの強い夏に春や秋より多数採集された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205621577984
  • NII論文ID
    130006981566
  • DOI
    10.11536/jsmez.58.0.48.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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