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Malaria
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- Toma Takako
- 琉球大学·医学部·保健学科
Bibliographic Information
- Other Title
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- マラリア
Description
近年、海外旅行や、研究活動、勤務で、熱帯·亜熱帯地域へ出向く日本人が増えている。マラリアは熱帯·亜熱帯地域における重要な感染症である。1998年のWHOの報告によると、世界の101カ国(地域)がマラリア流行地域で、それらの地域には世界の全人口の約40%の24億人が住み、年間、3-5億人がマラリアに感染し、100万人以上が死亡していることが推定されている。マラリアが多い地域は熱帯アフリカで、マラリア患者の90%以上はサハラ砂漠以南の地域に住んでいる。死亡者の大部分は、病院などへのアクセスが悪い遠隔地の幼い子供達で、他には妊婦、避難民、よそからの労働者や免疫力のない旅行者である。近年、マラリアが根絶された地域でのマラリア再流行の報告がある。わが国では、八重山諸島での1957-62年まで実施されたDDT残留噴霧法により、マラリアの流行は終焉し、現在では、海外で感染する輸入マラリアのみが報告され、国内での感染はない。マラリアは熱帯熱、3日熱、4日熱、卵形マラリアの4種がある。蚊(ハマダラカ)媒介性の疾病で、マラリア原虫を保有する人が蚊に刺され、血液と共に、原虫が蚊の中腸に入りスポロゾイトになる。次の吸血時にスポロゾイトは別の人に移る。世界に生息する3,000種の蚊の中でハマダラカは約400種で、マラリアの伝播に関与している種は約1/5である。マラリアを媒介する蚊はアジアには20余種いる。しかし、マラリアが流行している国の全ての地域にマラリア媒介蚊が生息しているわけではない。同じ国でも地形や地理的な条件に応じて媒介蚊は棲みわけをし、地域や季節で発生する蚊の種類は異なる。各地の主要なマラリア媒介蚊は1, 2種程度である。多くのアジアの国のマラリア媒介蚊の発生源は山間部であるが、海岸部の塩濃度の高い水域に生息する種もある。また、水田、沼、渓流に生息する種が多い。蚊が夜、吸血活動をするが、種によって活動時間にずれがある。外国生活や旅行中にマラリアにかからないためには、流行地域の状況を把握し、媒介蚊に刺されないようにすることである。最近3年間、私達は、ラオスのマラリア流行地で年に2回ほど1-2カ月間滞在し、マラリア媒介蚊の調査を行ってきた。現地の住民の生活状況、マラリア感染率、ハマダラカの生態などを紹介しながら、媒介蚊に刺されないための方策について考えてみたい。
Journal
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- Abstracts for the Annual Meetings of the Japan Society of Medical Entomology and Zoology
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Abstracts for the Annual Meetings of the Japan Society of Medical Entomology and Zoology 54 (0), 71-71, 2002
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205622672896
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- NII Article ID
- 130006982781
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed