CYP2C19 による Bufuralol と S-Mephenytoin の酸化反応機構の相違

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抄録

【目的】 先に我々は, Bufuralol (BF) 1" 位水酸化反応に関して CYP2D6 と CYP2C19が異なる立体選択性を示すことを明らかにした (1). 今回は CYP2D6 の基質結合に重要な役割を担うと考えられている Glu-216 及び Asp-301 あるいは Val-308 に相当する CYP2C19 の Val-208 及び Asp-293 あるいは Glu-300 について, その基質酸化における役割を検討した. <BR> 【方法】部位特異的変異導入法により, CYP2C19 の Val-208 あるいは Glu-300 を CYP2D6 型に変換した変異型 CYP2C19 (V208E あるいは E300V) を作成し, 酵母に P450 還元酵素と共発現させた. また Asp-293 については, Asn にアミノ酸置換した. 次に, これらのミクロゾーム画分 (Ms) と, BF (2.5-100 μM), あるいは CYP2C19 の基質であるS-Mephenytoin (S-MP) ( 5-400 μM) をNADPH 生成系存在下に 37 ℃ で反応させ, 生成した代謝物を HPLC により定量した. <BR> 【結果及び考察】 BF 1" 位水酸化活性に関しては CYP2C19 (WT) と比べて, 今回作製した変異CYP2C19 では顕著な差は見られなかった. S-MP 4' 位水酸化活性は CYP2C19 (D293N) では著しく減少し、CYP2C19 (V208E), 及び CYP2C19 (E300V) では消失した。 以上の結果より, CYP2C19 の Val-208, Asp-293 及び Glu-300 はS-MP 4' 位水酸化反応に重要であると共に, BF と S-MP の間で酸化反応機構の異なることが示唆された. 速度論的解析の結果も併せて報告し, 考察を加える. <BR>(1) S. Narimatsu et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. , 303 , 172-178 (2002)

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  • CRID
    1390001205624246016
  • NII論文ID
    130006984472
  • DOI
    10.14896/jssxmeeting.18.0.52.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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