片脚動作における優位側下肢の検討

  • 田中 真一
    福岡和白リハビリテーション学院 理学療法学科
  • 野中 嘉代子
    福岡和白リハビリテーション学院 理学療法学科
  • 池田 拓郎
    福岡和白リハビリテーション学院 理学療法学科
  • 兒玉 隆之
    福岡和白リハビリテーション学院 理学療法学科

説明

【はじめに】<BR>我々はこれまで下肢機能へ影響を与える因子を検討し、下肢の周径、機器により測定した筋力やその最大筋力までの到達時間に左右差は認めず、機能的には下肢の一側優位性は認められないことを報告した。今回は、片脚跳び動作時において一側優位性が出現するかどうかの検討を行ったのでここに報告する。<BR>【対象】<BR>健常な成人男性15名、平均年齢25.5±7.5歳、平均身長173.7±4.4cm、平均体重71.6±8.5kgを対象とし、事前に研究の目的と方法を十分に説明して同意を得た上で測定を行った。<BR>【方法】<BR>測定前に対象者にボールを蹴る脚(機能脚)と走り幅跳びで踏み切る脚(支持脚)について「右」、「左」、「どちらとも言えない」の3件法で回答するよう求めた。測定項目は左右それぞれの10m連続片脚跳びの所要時間と左右それぞれの片脚跳び距離の2項目とした。連続片脚跳び時間の測定は上肢の影響を少なくするために両上肢を体側に固定した状態で10mの最速連続片脚跳びを左右それぞれ実施し、所要時間を測定した。片足跳び距離も同様に上肢を固定した状態で静止した状態から左右それぞれ跳躍してもらいその距離を測定した。統計処理は、対応のあるt検定を用いて危険率5%で検定した。<BR>【結果】<BR>機能脚と支持脚の自己認識について、機能脚を右と回答した者は10名、左と回答した者は5名であり、支持脚を右と回答した者は4名、左と回答した者は11名であった。「どちらでもない」と回答した者はいなかった。10m連続片脚跳びの所要時間(機能脚:3.12±0.9sec、支持脚:3.06±0.4sec)、片脚跳び距離(機能脚:161.9±17.8cm、支持脚:167.2±19.7cm)については、それぞれに有意差は認められなかった。<BR>【考察】<BR>今回、10m連続片脚跳びの所要時間と片脚跳びの距離にて機能脚と支持脚ついて比較検討した。2項目ともに有意差は認められず、今回の結果から片脚動作において、一側優位性は認められなかった。以上より理学療法評価や治療を行う際に、今回実施した動作においては機能脚、支持脚の影響を考慮する必要性が少ないことが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205625162240
  • NII論文ID
    130006985349
  • DOI
    10.11496/kyushuptot.2008.0.136.0
  • ISSN
    24238899
    09152032
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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