高齢者の作業活動導入・継続に有効な造形表現方法の紹介と検討

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  • 「シール・アート」、「コラージュ・カラーコピー法」の特徴について・高齢者とアートその2

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【はじめに・目的】<BR> 当院では、認知症患者を対象としたプログラムや、併設の介護老人保健施設において造形表現活動を多く取り入れている。中でも「シール・アート」および「コラージュ・カラーコピー法(以下、CC法)」は、高齢者の作業活動の導入や継続に有効であるという感触を得ている。本報告は、筆者らが開発・工夫した二つの方法を、コラージュ療法(コラージュ・ボックス方式およびマガジン・ピクチュアー・コラージュ方式/それぞれの特徴については割愛)との比較から、その特徴について考察するものである。<BR>【シール・アート、CC法の紹介】<BR> シール・アート(seal・art)は、市販されている事務用シールを用いて構成・制作するミクストメディアの一種である。一枚のシールには“すでに単純な形と明快な色の世界が形成されていること”の安心感が備わっていること、一片のシール支持体に移しかえるだけの簡便さ、手頃感が大きな特徴である(詳細は『沖縄県作業療法研究 第1号』平成18年 短報参照)。<BR> CC法(collage・color copy)は、いわゆるコラージュ療法の中心的な方法であるコラージュ・ボックス方式およびマガジン・ピクチュアー・コラージュ方式を参考に、高齢者向けに開発・工夫された、簡便なコラージュの方法である。すなわち、切り取るテーマは一点のみであり、それは素材集などから選択した図と地の明確なシート(カラーコピーされている)に配列されている。したがって切り取りは単純で連続性のある作業が提供できる。また、高齢者が嫌う雑誌などの破損を伴う作業工程が回避され、高齢者に罪悪感や作業への否定的感情を回避することができる点に特徴がある(詳細は『沖縄県作業療法研究 第4号』平成22年 実践ノート参照)。<BR>【おわりに】<BR> 本報告は、当院で開発・工夫された<シール・アート><CC法>についての紹介である。ふたつの方法とも、その特徴を活かし、認知症を含む高齢者個々の状況に応じて現在も積極的に使用している。今後はふたつの方法のそれぞれの有効性や限界についても検討していきたい。<BR>当日は、実際の作品の展示、図表を用いて説明を加える予定である。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205625533440
  • NII Article ID
    130006985737
  • DOI
    10.11496/kyushuptot.2010.0.92.0
  • ISSN
    24238899
    09152032
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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