緊張性迷路反射・非対称性緊張性頚反射が著明に出現した一症例を経験して

説明

【はじめに】緊張性迷路反射(以下TLR)・非対称性緊張性頚反射(以下ATNR)の著明な出現により座位保持に難渋した症例を経験した。本症例の車椅子座位姿勢の特徴として、著明な伸筋活動と左上肢での左側への強い探索活動があげられた。そこで、TLR・ATNRを抑制するポジショニングを導入することで、車椅子座位の安定を図ることができないかと考えた。【方法・結果】車椅子乗車前に、バルーンを利用した四つ這いポジショニングを10分間施行した。訓練導入後2ヶ月経過した時点で、体動による伸展パターンが減少し車椅子座位が比較的安定した。【考 察】本症例は発症後6ヶ月を経過しており、画像所見では脳萎縮の進行を認めている。このことから、今回の結果は姿勢反射の抑制によるものではなく、姿勢反射を増強させる要因となっていた筋緊張が抑制されたことによるものと思われる。強い異常姿勢反射が出現する場合においても、ポジショニングによるリラクゼーションが有効であることを再認識した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205625726336
  • NII論文ID
    130006985900
  • DOI
    10.11496/kyushuptot.2002.0.88.0
  • ISSN
    24238899
    09152032
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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