光アフィニティラベル法による各種動物アルブミン分子上の薬物結合部位のトポロジー解析

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抄録

【目的】我々は先に、光アフィニティラベル法を用いて、SiteII結合薬物ケトプロフェン(KP)がヒト血清アルブミン(HSA)のサブドメインIIIAの476-499に結合することを明らかにするとともに、薬物-蛋白相互作用研究における本法の有用性を明らかにした。そこで今回、未だ結晶構造解析がなされておらず、また薬物結合部位の詳細が十分に明らかにされていないウシ、ウサギ、ラット、イヌの各種アルブミンについて、光アフィニティラベル法により、これらアルブミン分子上のKP結合部位の同定を試みた。<BR>【実験方法】各種アルブミンはシグマ社のものを、脱脂後使用した。光アフィニティラベル法はChuangらの方法に従って行った(B.B.A.1434,18(1999))。HSAの酵素消化及びメチオニン残基の修飾はリシルエンドペプチダーゼ及び臭化シアンを用いた。<BR>【結果と考察】各種動物アルブミンとKPの結合を光アフィニティラベル法で評価したところ、ヒト、イヌにおいて、11.6kDaのバンドが最も強い放射活性を持っていることが示された。このバンドは447-548のアミノ酸に相当し、KPはサブドメインIIIAに結合することが示唆された。一方、ウシ、ウサギ、ラットに関して、上記のバンドでは放射活性は認められなかった。これらの結果は、イヌアルブミン分子上にはヒトと同様なSiteIIが存在するが、ウシ、ウサギ、ラットアルブミンは、そのようなサイトを保持しないという先の我々の競合実験結果(Pharm.Res.14,1607(1997))を強く支持するものである。目下、KP結合に対するイヌアルブミン分子上のアミノ酸の特定化について検討中であり、これらの結果についても併せて報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205626108032
  • NII論文ID
    130006986248
  • DOI
    10.14896/jssxmeeting.18.0.175.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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