繭溶解酵素の2次構造とフォールディングの解析

書誌事項

タイトル別名
  • Secondary structure and folding analyses of cocoonase

説明

様々な生物のゲノム構造が明らかにされると共に、個々の種に特有な蛋白質の機能を立体構造から解析することが盛んに行われている。カイコ蛾は繭から脱出する際、コクナーゼと呼ばれる酵素を分泌し、繭を溶解させることが知られているが、詳細な分子機構に関する知見は得られていない。本研究は、脱繭液に含まれる繭溶解酵素の高次構造を解析し、その機能発現機構を明らかにすることを試みている。今回はその最初の段階として、脱繭液の中から大量に主成分蛋白質を単離し、円偏光(CD)分光法を用いて高次構造の解析を行った。その結果、脱繭液中には分子量約30,000 Daの蛋白質が多く含まれ、その2次構造はシート構造53 %、へリックス構造14 %程度であることが示された。また温度変化の解析では40度付近から3次構造が崩壊し始め、同時にへリックス部位がランダム構造に変化するが、シート構造は70度以上でも維持されることが示された。一方、冷却によるフォールディング過程では未変性と同じCDスペクトルが観察されず、この熱変性が不可逆的な構造変化であることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205626643968
  • NII論文ID
    130006986762
  • DOI
    10.11416/jsss.2003.0.131.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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