青色光受容体蛋白質AppAのTrp104の役割

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タイトル別名
  • Role of Trp 104 in AppA BLUF domain as revealed by FTIR spectroscopy

抄録

AppAは紅色細菌の光合成遺伝子の抗転写抑制因子として機能する青色光受容BLUF (sensor of blue-light using FAD) 蛋白質である.光照射により発色団FADの可視吸収スペクトルの長波長シフト(~10nm),FAD フラビン環C4=O基へのより強い水素結合が起こり,光信号状態に対応する蛋白質主鎖の構造変化が誘起される[1].本研究ではFADの極近傍に位置するTrp104をalanineに置換したAppAのBLUFドメイン(W104A)のフォトサイクルを調べ次の結果を得た.(1) FADの光誘起可視吸収スペクトルは野生型と同じ変化を示したが,暗状態への緩和速度は著しく(150倍)促進された.(2) W104AのFAD C4=O伸縮振動バンドは暗状態および光励起状態とも野生型より2cm-1高波数シフトした.(3) 光照射に伴う蛋白質主鎖の構造変化に著しい影響がみられ,大きく阻害された.これらの結果より,Trp104はFADと直接あるいは間接的に水素結合し,光励起FADから蛋白質主鎖の構造変化への光信号変換過程において重要な役割を果たしていると結論した.[1] Masuda et al. (2005) Biochemistry, 44, 1225

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205626988032
  • NII論文ID
    130006987090
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.536.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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