アゲハ幼虫体表の擬態紋様形成の分子機構

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular mechanisms of larval body marking patterns of swallow tail butterfly

説明

アゲハ(Papilio xuthus)の幼虫は4令時までは黒と白の紋様からなり、鳥のフンに擬態しているといわれるが、5令では緑色の地色に眼状紋や複雑な線上紋からなる紋様に切り替わる。このような紋様の形成機構を調べる手始めに、脱皮時に発現しメラニン形成に関与するドーパデカルボキシラーゼ(DDC)の発現をin situハイブリダイゼーション法により調べた。その結果、4眠時にはDDCは、眼状紋と腹部線上紋に一致する位置で発現する一方、3眠時には眼状紋上だけで発現していた。この結果は、眼状紋などの形成はDDCによって制御されているが、鳥のフンの擬態紋様は別の遺伝子に支配されている可能性を示唆する。さらに眼状紋の内部には特殊な原基状の組織があることも確認した。一方、4眠時に紋様が切り替わることから紋様の形成にエクダイソンが関与していると考えた。20Eの局部的な塗布もしくは注射により、眼状紋の赤色紋様の形成は抑制され、5令時の緑色色素の合成も抑制されたが、鳥のフンの擬態紋様と眼状紋の黒色部分は影響が見られなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205627151488
  • NII論文ID
    130006987327
  • DOI
    10.11416/jsss.jsss72.0.113.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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