紅藻<I>Ptilopbora subcostata</I>のもつ抗菌物質の解析

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タイトル別名
  • Characterization of Antibacterial Molecule from <I>Ptilopbora subcostata</I>.

抄録

植物は病原微生物の感染に対する生体防御機構として、抗菌物質を生産することが知られている。そのような抗菌物質は海藻にも存在すると考えられるが、同定されていない。本研究では、紅藻類から新規抗菌物質を探索し、同定することを試みた。5種の紅藻(Scinaia japonica, Galaxaura elegans, Callophyllis japonica, Gelidium elegans, Ptilopbora subcostata)を蒸留水中で破砕したものを粗抽出液とした。この粗抽出液をBacillus Subtilis由来芽胞液を用いた抗菌活性測定法に供し、抗菌活性の有無を調べた。この結果、ヒラクサ(Ptilopbora subcostata)の粗抽出液が抗菌活性をもつことがわかった。陰イオン交換カラムクロマトグラフィーによりヒラクサ由来抗菌物質を部分精製し、抗菌活性をもつ画分を得た。この画分をSDS-PAGEで分離し、CBB染色を行ったところ、40kDaと29kDaにバンドが検出された。29kDaタンパク質のN末端アミノ酸配列は、Chondrus crispus由来Hexose oxidase(HOX)の配列と相同性を示した。さらにこの画分にはHOX活性が認められた。一方、この画分の抗菌活性はグルコースを除くと、検出されず、catalaseの添加によって半減した。これらの結果より、ヒラクサ由来の抗菌活性はHOXが担っており、HOXによってヘキソースから生成された過酸化水素が抗菌性を示していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205627949184
  • NII論文ID
    130006988264
  • DOI
    10.14841/jspp.2005.0.281.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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