<I>PAP1</I>形質転換培養細胞を用いたアントシアニン生合成関連遺伝子およびアントシアニン蓄積の解析

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Analyses of Anthocyanin Biosynthesis Genes and Anthocyanin Accumulation in Arabidopsis Suspension-Cultured Cells Overexpressing <I>PAP1</I> Transcriptional Factor.

抄録

PAP1はシロイヌナズナにおいてアントシアニン生合成関連遺伝子の発現誘導に関わるMyb様転写因子をコードする。現在までにPAP1過剰発現シロイヌナズナ植物体を用いたアントシアニン生合成関連遺伝子の解析についての報告はあるが、PAP1の転写量と誘導される遺伝子の転写に関して詳細な解析はなされていない。本研究ではPAP1によるアントシアニン生合成経路の制御機構をさらに解析するため、シロイヌナズナ培養細胞株を用いてPAP1発現レベルの異なる形質転換体を複数系統作製し、転写因子量と誘導される遺伝子および代謝産物について解析を行った。液体クロマトグラフィー・質量分析計を用いてPAP1形質転換細胞系統を分析した結果、PAP1の転写量が過剰な系統ではアントシアニンの蓄積量が多かった。シロイヌナズナのアレイデータを用いた共発現ネットワーク解析より、PAP1の発現はアントシアニン生合成経路の下流にある遺伝子および、修飾転移酵素をコードしている遺伝子の発現と相関を有した。複数のPAP1形質転換細胞系統を用いたマイクロアレイ解析より、共発現ネットワーク解析の結果と一致してPAP1過剰発現細胞では同遺伝子群の発現が増加していた。PAP1をより高発現している細胞系統ではさらに多くのアントシアニン生合成遺伝子の誘導が認められ、転写因子の発現量により制御される遺伝子群が異なっている可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205628851584
  • NII論文ID
    130006989200
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.111.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ