ブラシノステロイド情報伝達突然変異体<I>bil</I>(<I>brz-insensitive-long hypocotyl</I>)の機能解析

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タイトル別名
  • Analysis of Brassinosteroid Signaling Mutant <I>bil</I>(<I>brz-insensitive-long hypocotyl</I>)

抄録

ブラシノステロイド生合成阻害剤Brz培地上で暗所発芽した植物体は、暗所ながら光形態形成や葉緑体遺伝子の発現が認められる。この暗所Brz条件下におけるBrz耐性を指標にアラビドプシス突然変異体bilのスクリーニングを行っている。現時点で最も形質の強いbil1はDominant変異であり、bzr1<I>(<I>Brz-resistant)と同一、bes1bri1-EMS-suppressor)とアミノ酸配列で88%の相同性を持つ新規なタンパク質ファミリーであることが明らかになった。変異bil1/bzr1:CFP融合タンパク質は安定的に核局在を示し、野生型BIL1/BZR1:CFP融合タンパク質は通常条件下では細胞質に局在するが、ブラシノステロイド刺激後30分以内に核内へ移行が観察された。これらの結果より、BIL1/BZRタンパク質は、細胞膜上で受容されたブラシノステロイド刺激を細胞質から核内に伝える情報伝達キャリアー本体として機能している、と考察された。またやや弱い形質であるbil5は、暗所Brz条件下では野生型の約2倍の胚軸長を示すが、成長後には茎長の短化・細化、ロゼッタ葉の細化・低緑化、等の著しい異常形態を示した。また更に、新たなbil形質を示す変異体のスクリーニングを継続している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205629037824
  • NII論文ID
    130006989417
  • DOI
    10.14841/jspp.2003.0.183.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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