サブピコ秒時間分解誘導ラマンを用いたカロテノイドの内部転換の決定——各励起状態の寿命とエネルギーギャップの関係
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- 田村 広
- 関西学院大学理工学部
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- S. Rondonuwu Ferdy
- 関西学院大学理工学部
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- 小山 泰
- 関西学院大学理工学部
書誌事項
- タイトル別名
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- The Determination of the Internal Conversion of Carotenoids by Subpicosecond Time-resolved Raman Spectroscopy using Stimulated-Raman Process——the Correlation between the Lifetime and Energy Gap in each Excited State
抄録
アンテナ複合体における全トランスカロテノイドからバクテリオクロロフィルへの一重項エネルギー移動には、カロテノイドの1Bu+状態からバクテリオクロロフィルのQx状態や2Ag-状態からQy状態といったチャンネルが存在する。共鳴ラマン励起プロフィールなどの分光法により共役二重結合数n = 9-13のカロテノイドで1Bu+, 2Ag-状態間に3Ag-や1Bu-状態があることが知られており、2Ag-がこれらの電子状態を経由する1Bu+からの一連の内部転換により生じると推測していた。<br> 私たちはn = 10のスフェロイデンをRhodobacter sphaeroides 2.4.1より、n = 11のリコペンをトマトピューレより抽出後、2回のアルミナカラムと再結晶により精製した。ラマンシグナルの検出光として2つのパルスを用いて高い時間分解能を実現したサブピコ秒時間分解ラマンを、1Bu+の高い振動準位へ励起してこれらの測定を行った。遅延時間の異なるC=C伸縮ラマン線を帰属し1Bu+→3Ag-→1Bu-→2Ag-という内部転換が起きていると解釈した。0-0遷移で励起した場合については、現在測定中である。<br> 今後、特異値分解とグローバルフィッティングにより各励起状態のラマンスペクトルと寿命を決定し、内部転換の各遷移に関するエネルギー間隔と励起状態の寿命との関連を調査する方針である。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2006 (0), 025-025, 2006
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205629116800
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- NII論文ID
- 130006989528
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可