クロロフィル生合成におけるシロイヌナズナ概日時計の役割

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A link between chlorophyll synthesis and circadian rhythm in <I>Arabidopsis thaliana</I>

抄録

クロロフィル合成(緑化)経路において、プロトクロロフィリド(Pchlide)からクロロフィリドへの反応は光依存的に進行する。しかし、この反応過程は活性酸素の発生を伴うため、特に黄化芽生えにおけるPchlideの生合成は厳密に制御されていることが知られている。しかし、その制御分子機構は不明な点が多い。これと関連して、最近フィトクロム結合性bHLH型転写因子であるPIL5 (PIF1)がシロイヌナズナにおけるPchlide生合成の負の制御因子であることが報告された。一方我々は、PIL5が時計関連因子PRR1/TOC1と相互作用するbHLHサブファミリー(PIF3、PIF4、PIL6などを含む)の一員であることを報告している。そこで、本研究では光形態形成時におけるクロロフィル合成制御(緑化過程)と概日リズム(時計機構)との関連に関して検討した。その結果、各種の時連関連因子(CCA1、TOC1、PRRs)の過剰発現体および欠損変異体では黄化子葉の光依存的緑化率が野生株と比較して大きく変動することが明らかになった。これらの表現型とpif3やpil5変異体が示す緑化に関する表現型には明確な遺伝的関連性(エピスタシス)が認められた。これらの結果を基に、光形態形成における光情報伝達と概日時計機構との関連性に関して、PILファミリーbHLH転写因子群の役割を中心に考察する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205629205120
  • NII論文ID
    130006989619
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.169.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ