カイコ周気管腺細胞の発育にともなう変化と数種鱗翅目昆虫における同器官の存在

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タイトル別名
  • Peritracheal athrocytes(nephrocytes) in the silkworm, Bombyx mori, and their existence among several lepidopteran insects

抄録

カイコ周気管腺細胞は囲心細胞や食道下体の細胞と共にathrocytes(nephrocytes)として位置付けられる細胞群と考えられる。数種の鱗翅目昆虫幼虫にトリパンブルー溶液を注射して、周気管腺を調べたところ、クワコでは存在していたが、エリサン、アワヨトウガ、ハスモンヨトウガ、クワノメイガ、エビガラスズメガ、モンシロチョウでは周気管腺に相当する器官は認められなかった。次に、カイコにおける同器官の発育にともなう細胞の形態変化と併せてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるタンパク質組成の変化を調べた。形態変化は実体顕微鏡での解剖像やパラフィン切片等で観察した。その結果、蛹化初期の周気管腺の細胞サイズは5令幼虫期のそれと比べて大きく、また幼虫期の同器官の色は白色であるのに対して黄色みを帯びるためその存在を認め易くなった。核(DNA)形態は幼虫期が扁平多角なシート状を呈するのに対し、吐糸期及び蛹期初期で観察されるのは網目状であった。また、電気泳動のバンドパターンは脂肪体や血液のものとは明らかに異なり、囲心細胞、食道下体のものと比較的似ていた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205629664384
  • NII論文ID
    130006990128
  • DOI
    10.11416/jsss.2003.0.11.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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