他植物ゲノム環境でのシロイヌナズナゲノム遺伝子の定量的な発現解析

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タイトル別名
  • Quantitative expression analysis of Arabidopsis genes introduced in other plant species

抄録

植物の遺伝子発現制御の進化についての洞察を得るため、私たちはシロイヌナズナの様々な遺伝子を含む長鎖ゲノムDNA断片をTACベクター(長鎖DNA断片の植物への導入を可能とするバイナリーベクター)を用いてトマトおよびミヤコグサに導入し、導入遺伝子の発現解析を進めてきた。これまでに行ったDNAアレイ解析の結果では、トマトにおける導入遺伝子群の遺伝子発現は、シロイヌナズナ自身における遺伝子発現と類似したパターンを示した。本研究ではこの発現パターンの類似に関してより定量的に分析するため、シロイヌナズナとトマトのDNAアレイ実験から得られた、導入遺伝子群の標準化発現レベルの相関解析を行なった。解析対象とした三器官(Leaf, Rachis, Root)のいずれにおいても、トマトでの遺伝子群の発現レベルとシロイヌナズナでの遺伝子群の発現レベルの間に中程度の正の相関性(Pearson correlation, Spearman correlation, p<0.05)が認められた。さらに発現量そのものを比較するために、導入遺伝子群から幾つかの遺伝子を選びリアルタイムRT-PCR法による定量を行なったところ、発現量がシロイヌナズナとトマトの間で類似している遺伝子および異なっている遺伝子が見出された。ミヤコグサについても同様な解析を進めている。これらの結果に基づき、植物の遺伝子発現の量的制御の進化的保存に関する考察を行う。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205629751296
  • NII論文ID
    130006990221
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.275.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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