ポプラTFL1遺伝子の発現抑制よるポプラの花成促進

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タイトル別名
  • Down-regulation of a poplar TFL1 ortholog confers acceleration of flowering in Lombardy poplar

抄録

一般に、木本植物は播種してから開花結実するまでに長大な期間を要する。幼若期間と呼ばれるこの期間は、リンゴ等果樹の育種を推進する上で大きな障害となっている。一方、スギやヒノキなどは、着花齢に達すると大量の花粉を大気中に放出し、花粉症問題を引き起こしている。そこで、我々は、遺伝子組換え技術を利用して木本植物の花成を自在に制御することを目的に研究を進めている。今回、シロイヌナズナ等で花成抑制因子として報告されているTERMINAL FLOWER 1 (TFL1)と相同性の高い遺伝子PnTFL1をポプラの一種であるセイヨウハコヤナギ(Populus nigra L. var. italica Koehne)から単離し、解析を行った。PnTFL1の発現は、主に根、茎、頂芽、側芽で観察された。また、PnTFL1をカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター下流に連結して、シロイヌナズナで過剰発現させたところ、組換え体の花成は顕著に遅延した。さらに、RNAi法を用いてPnTFL1発現抑制組換えセイヨウハコヤナギを作出したところ、一部の組換え体の系統では通常20年以上を要する花成までの期間が5ヶ月以下に短縮され、もっとも強い表現型の系統では、約5週間で開花した。しかしながら、約5週間で開花する系統は成長速度の低下や葉の形態変化などの異常を生じた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630185216
  • NII論文ID
    130006990777
  • DOI
    10.14841/jspp.2007.0.676.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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