シロイヌナズナの感染防御機構におけるERボディ内容物PYK10の役割

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タイトル別名
  • PYK10, the main component of ER bodies, is involved in a defense system of <I>Arabidopsis thaliana </I>against bacterial pathogen.

抄録

植物は様々な病原微生物の攻撃に対して、防御機構を備えている。私たちは、植物のストレスホルモンであるジャスモン酸によって、小胞体由来新奇オルガネラERボディが誘導されることを報告してきた。ERボディの内容物であるPYK10はN末端にシグナルペプチド、C末端に小胞体局在化シグナルであるKDEL配列を有したβグルコシダーゼである。PYK10は、ERボディに特異的に局在していることが確認されているが、その機能は不明な点が多い。ERボディおよびPYK10が病害抵抗性に寄与するかを明らかにするため、ERボディおよびPYK10欠損変異体(nai1pyk10)にPseudomonas syringae pv. tomato (Pst) DC3000(avrRpm1)を接種した。接種後3日目の菌数を測定した結果、野生株と比較してnai1 では菌数が顕著に増加していた。また野生株において、Pst DC3000(avrRpm1)の感染後6時間で、未感染葉に比べて顕著にPYK10の発現量が増加していた。一方で、過敏感細胞死の指標であるイオン漏出を調べたが両者に差は認められなかった。以上の結果から、PYK10が細胞死に非依存的な抵抗性に関与していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630281088
  • NII論文ID
    130006990925
  • DOI
    10.14841/jspp.2009.0.0247.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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