ナショナルバイオリソースプロジェクト「アサガオ」

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タイトル別名
  • National BioResource Project: Japanese morning glory

抄録

アサガオ(Ipomoea nilまたはPharbitis nil)は、古典遺伝学、生理学的研究において膨大な知見を集積している我が国独自のモデル植物である。江戸時代後期に起源する、花や葉の色や模様、形態に関する多様な突然変異体が保存されており、近年の研究によって、これらの多くは両末端が共通な一連のトランスポゾン(Tpn1ファミリー)によって誘発されているということが明らかになってきた。そのため、遺伝子クローニングのためにも、突然変異体は貴重な遺伝子資源である。また少数の個体に由来する自殖性植物であるため、ゲノムが非常に均一であることも、突然変異体をもちいた遺伝学的解析や生理学的解析に明確な結果を与える材料である。現在、アサガオのEST、連鎖地図、形質転換法などが整備・開発されつつあり、突然変異体とこれらの技術や情報をあわせて得られる成果は、今後多くの基礎・応用分野の植物科学において重要度を増していくと考えられる。本プロジェクトの目的は、近縁種を含むアサガオの突然変異体や、形質転換体を収集・保存し、特性を調査した上で、国内外の研究者に提供し、アサガオおよび近縁の植物のゲノムや遺伝子の解析、新しい品種の開発に寄与することにある。またリソースとしての質を高め、突然変異系統の特性調査に関わる、原因遺伝子の分子マーカーや連鎖地図の作成、ESTクローンの収集・保存・提供も行っている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205630851968
  • NII論文ID
    130006991770
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.917.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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